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サマーキャンプレポート

御茶ノ水支部 一般部 辻 一磨

押忍 御茶ノ水支部の辻です。

2015年度関東地区サマーキャンプ&昇段レポートを書かせて頂きます。

御茶ノ水支部からは、今回朝岡支部長と、早稲田OBの大和さん、篠原さん(武大柔道部OB)、辻の4人が参加。朝岡支部長、大和さん、辻の3人は合宿審査での昇段(朝岡支部長は四段、大和さんと自分は初段)を懸けての参加となりました。

この時期の関東地方は連日の猛暑日が続くにも拘らず(当日の合宿地の那須も35度近い暑さ)、関東近郊及び新潟や長野から(そして海外からも数名)、暑さに負けない空道戦士達が総勢二百数十人が集っての盛況な合宿がスタートしました。

合宿初日。まずは宿舎であるホテル花月に集合。風光明媚な那珂川沿いのホテルの部屋は最高のロケーション。これからの厳しくも楽しい二日間に期待が高まりました。

その後直近の体育館に移動し、初日の最初は基本稽古からスタート。昇段審査者は全員前へ出て、各自一つずつ号令をかけて技を実施。合間では東塾長と高橋(新宿)支部長の厳しい目が光る中、技術と理論の正確性がチェックされます。

普段出来ているつもりでも、軸足の返しが甘かったり、無駄やモーションがある部分を直接塾長や高橋支部長からご指摘頂き、身が引き締まりました。

東塾長曰く、これまで空道は実戦性を重視するあまり基本や移動が(組手の勝敗に比べ)疎かにされてきた感があるが、ここ迄世界に広まった以上、流派として的確は世界標準の正しい基本動作を示唆するべきかであるとの事でした。

東塾長がこれまでの研鑽の中で、作られた基本動作は、細部に於て意味がある故、「他流派でいう伝統型同様に」受け継いでいくべき、という方向性には大変共感しました。

自分は元々フルコン経験者ですが、フルコンの昇段審査においてここまで細かく基本をチェックされた経験は無く、空道審査の厳密さとクオリティの高さを感じました。

基本技の審査が終わると、次は(審査受審者含め)全員クラス毎に分かれ、日本代表コーチの方々からセミナー形式の指導を受けます。

自分の場合、前半は加藤清尚支部長、後半は飯村支部長のパートでご指導頂きました。

加藤支部長からは、蹴りキャッチからの(反撃を喰らうリスクの少ない)テイクダウン法と首相撲の簡単な外し方を、飯村支部長からは蹴りへの多彩なディフェンスと、(顔面攻防に適した)構え方などをご指導頂きました。

両支部長の卓越したムエタイ的打撃技術をベースにした、空道向けに変換されたテクニックは大変勉強になりました。

その後は、段級のグループに分かれてのマススパー。

全日本トップクラスの諸先輩方や、(国外から参加された)世界大会メンバーの方も交えてのスパーリングは、空道トップクラスの技術を生の攻防で経験出来る非常に貴重な経験でした。皆様強い方ばかりでしたが、その中でも飯村支部長の、「長い距離での蹴り&接近戦の崩し」と、新潟支部の高橋腕先輩の「接近戦で道着を掴んでの打撃」には、なす術も無くあしらわれ、大変勉強になりました。

暑さの中で参加者の体調管理も懸念されましたが、状況に応じてラウンド数を少なくするなどの東塾長のきめ細かいご配慮により、無事に初日の稽古を終えることが出来ました。

夜は指導者を中心にアンチドーピングセミナーが実施されるなど、改めて空道の安全やコンプライアンスに対する意識の高さを感じました。

自分は古巣の行徳や御茶ノ水のメンバーと酒宴で盛り上がりましたが、同年代の仲間達と修学旅行の時のような時間を過ごし、楽しい思い出となりました。

迎えた翌朝、前日の酒宴の名残りで起きれるか不安でしたが、朝岡支部長の「押~忍~!」の掛け声で予定通り5時50分に起床。 眠い目を擦りながら河原でのランニングに向かいました。

今回のランニングは審査受審者は任意であるにも拘らず、率先して走る朝岡支部長に引っ張られ、どうか走ることが出来ました。(余談ですが、ゴール間際で漸く朝岡支部長に追いついたと思った途端、猛ダッシュで躱されました)

その後は、那珂川の水に足を浸けクールダウン。那須の自然の心地良さを感じながら、朝のランニングを終えました。(前日のアルコールも抜けました)

そしていよいよ二日目の稽古(審査)開始。

前日と変わらぬ暑さの中、まずは移動稽古からスタートです。前日の基本稽古同様、細かい動作をチェックされます。

塾長からは特に、全員「後蹴り」が「後ろ回し蹴り」気味なっている部分を指摘されました。

後ろ蹴りは顔面カウンターを貰いにくく、接近戦でも一撃で倒せる威力を持つ技なので、正確に真っ直ぐ蹴るための「作り(足捌き)ご指導頂きました。

その後組技系の審査です。受け身、エビ、投げ(前方、後方)、寝技、パスガードと続きます。 

組技が苦手な自分でしたが、審査前、朝岡支部長や先輩方から細かくご指導頂いたお陰で、どうにか大きな指摘も無く終える事が出来ました。

そして約束組手。この頃になると、さすがに暑さで疲労が高まりましたが、本数を少なめにして正確さを意識するなどの塾長のご配慮により、どうにか集中力を維持して終える事が出来ました。

最後はいよいよ連続組手です。自分は40歳なので7人(格闘ルール3人、立ち組み2人、寝技2人)。

試合とはまた違った緊張感と不安の中。まずは格闘空手ルールがスタート。極真昇段審査以来20年振りの連続組手です。

審査組手は1人1分という短時間ゆえ、立ち技は相手より先に効果を取る事だけを考えて動きました。

立ち技では何度か運良くパンチで効果を取れましたが、続く立組みでは倒されない事に専念し、かなり体力を消耗してしまいました。

やはり、打撃のみと組技有りでは後者の方が圧倒的にハードに感じます。改めて立ち組みで相手をコントロールする空道特有の技術の重要さを感じました。

最後の寝技ではもう疲労困憊で、なんと一人目開始直後に何と両足が攣ってしまいました。相手は行徳時代の後輩だったため、耳元で状況を囁きたい気持ちでしたが、袖車の猛攻で叶わず、お陰でどうにか力を途中で持ち直して闘えました。

本当に最後はキツくて吐きそうでしたが、近くにいらした加藤(清尚)支部長から檄を飛ばして頂いたお陰で乗り切ることが出来ました。

終わった瞬間、これまでの色々な思が駆け巡りました。

仕事や家庭の事情で中々練習に行けない時期があったり、試合に負け続けて凹んだり…。正直何度も辞めようと思ったことはありました。しかし本当に続けてて良かった! 何者にも代えがたい達成感を味わった瞬間でした。

しかし感激に浸る間もなく、次は我らが朝岡支部長の組手です! 立ち技では足を使い的確な打撃を叩き込み、立ち組みや寝技では、御茶ノ水ドリル通りの的な攻防を駆使し、危なげなく勝利されたのは素晴らしかったです! 

自分も長らく空手や格闘技をやってますが、自分の師匠がガチ組手で闘っているのは初めであり(勿論、一緒に昇段審査を受けるのも)非常に感激しました。

最後は大和さんの組手。絶妙な距離感と肘、膝、頭を駆使したクレバーかつワイルドな闘いで、見事10人組手を完遂され、見事3人全員が昇段しました!

自分の昇段の喜びもさることながら、3人全員が合格という結果に、青春時代の部活動のような熱い喜びを感じました。

ご指導頂いた先生、練習にお付き合い頂いた先輩後輩方、また審査組手のお相手をして頂いた皆様、本当にありがとうございました。 押忍

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