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ドイツ遠征記

自分にとって5年ぶりの海外遠征(前回は2005年スリランカ・マレーシア遠征)となりましたこのドイツ遠征、今までの遠征との大きな違いは目的が「選手として勝つこと」ではなく「S級審判として海外試合を経験すること」でした。

国内試合とは違う点、特に筋量の違いからくる打撃の威力、またそれを受ける側の骨格の違いなどからくる耐久力、国内ではまずありえない体格、それらが複合的に現れる海外試合で、自分が主審として的確に判断し対応することです。

実際に大会が始まると、やはり筋力などフィジカルのぶつかり合いのような試合が多くあり、国内試合ならば「効果」か「有効」になったと思われる打撃も、相手の首が強く身体にバネがあるために頭が後方にのけぞらず脳へのダメージも無いのか目も全くぶれないで「マスクなしでもまぶたが腫れるぐらいで効かなかっただろう」と判断できるものが結構ありました。

技術的には荒削りな選手が多かったですが、第3回世界大会のときと比べるとかなりの進歩を見せている選手もいて、先天的なフィジカルにこのペースで技術が身についていくことを考えると第5回世界大会ぐらいには間違いなく日本の脅威となると感じました。
日本から参加し優勝した平安、田中両選手は身をもって感じたと思います。

とはいえ、国際的な拡がりを見せる空道がいつまでも「日本vsロシア」の構図を続けていることが空道の世界展開にマイナスであることを考えると、我々日本が他国のレベルアップに貢献する必要があるという矛盾を感じつつも世界に拡がる様を目の当たりにし、またそれに微力ながらも貢献できたことをうれしく思います。

「世界で戦うには少なくとも同じ階級の選手には負けないフィジカルを身に付ける必要がある。」とは飛行機の中で小川支部長と今後の空道について数時間語り合う機会があり、そのときに出た話題のひとつです。

話は少々ずれますが、小川支部長は東北本部の頃、練習から試合、プライベートまで大変世話になった先輩で、この先輩、後輩の関係はTV番組「筋肉番付」やミヤギテレビの「北斗旗空道体力別選手権」でも取り扱われたのが今となっては懐かしいです。
そんな今回小川支部長と10数年ぶりにしっかりと語り合えたのも自分にとって今回の遠征の収穫でした。

話は戻って、同等のフィジカルを持った上で、技術練習を多くこなしたものが勝つ。
高度な技術練習にはそれに耐えられるだけの高度なフィジカルが必要であり、その両輪をバランスよく身に付けることが必要です。

選手のみなさん、自分の遠征記で記したものが塾長、各支部長が既に述べられていることの繰り返しとなりましたが、勝つためには最低限必要なことです。

日本の大道塾塾生のみなさん、スポーツライクな空道もいいですが再度、基礎体力など身体作りの重要性を認識し直し、技術偏重の流れから脱却しようではありませんか。
最後に本遠征にお声掛けくださいました塾長、事務局長、また同行させていただきました支部長の皆様ありがとうございました。
自分もこれからも空道の普及及び自己研鑽に努めてまいります。

佐藤繁樹(仙南支部)

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