ブルガリア遠征 第一回空道ヨーロッパ大会

第一回欧州選手権大会遠征レポート長田賢一(仙台西支部)

若者が若者らしく希望を持ち、輝いている事に喜びを感じてしまうということは自分自身が歳をとってしまったという事なのだろうか。
第一回欧州選手権大会の前日、ホテルから会場への下見に向かうバスの車中で隣に座ったセルビアの青年の自信に満ちた表情がとても印象的であり、今回同行させていただいた欧州選手権そのものを象徴するかのようなひと時であった。

欧州選手権からひと月以上が過ぎてしまったが、思い起こせば思い起こすほど、大道塾にとって大変記念すべき意義のある大会であったという事を感じずにはいられない。
塾長と支部長数名が随行という規模の遠征は初期のロシア遠征やアメリカ遠征以来であり、その事一つをとってもそうなのだが、世界大会に次ぐ十数カ国の空道を修行する選手団が一同に会し空道の素晴らしさや大道塾の健全さ、そして、暖かさに包まれながら思いを一つにできたという事が何より大きいのではないだだろうか。

塾長自らが発する生の空道の理念や理想。
組織としての暖かさや一体感を生む事務局長の心配りや気遣い。
驚異となりつつも一つの成功例としてのロシア勢の存在。
空道の母国の香りを運んできた数名規模の審判団等々。
参加の欧州各国の全ての選手団が空道の魅力を再認識した4日間だったのではないだろうか。

依然、ロシアとの差は歴然としており、選手のレベルや参加者、大会規模などは、数年の遅れをとってはいるが、今大会が欧州という地理的な枠組みに止まらず、今後の空道の普及、発展にとっての確実な出発点となったことは間違いない。今後開催される、アジア選手権や南米選手大会にも繋がる確実な一歩であり、私自身にとっても空道の普及を実感できた遠征となった。

ブルガリアのソフィアに到着後は欧州の支部長会議、ルールミーティング、欧州選手権大会、昇級・昇段審査会とブルガリアでの日程を慌しく消化していったが、一つの文化を通して、しかもそれが我々から発信しうる日本の文化を通して様々な国の人々と交流出来るというのは素晴らしいことである。今回の遠征で特に感じたのは、空道に対する新鮮な思いやひたむきさである。参加の選手一人一人にそれらを感じることが出来た。

隣に座ったセルビアの青年に、サッカーや柔道などメジャーなスポーツがある中でなぜ空道を選んだのかと聞いたところ、突き蹴りだけではなく投げ技や寝技まで出来るからだという。
UFCやシュートファイティングはどうなんだと聞いたら、空道は武道であり教育で、暴力ではない。 という答えが返ってきた。
セルビアという国の自慢や自分のトレーナーが素晴らしく尊敬できる人物であること。空道が大好きで大会で優勝し将来は空道のインストラクターになりたい等々。空道の魅力まで講釈いただいたが、まだまだ荒削りながらこのような青年達が参加したのが今回の第一回欧州選手権大会であった。
えらく態度の大きい青年ではあったが、悪気のない若者の横柄さが心地よく感じられるのも、今の仕事が板に付いてきたという事なのかもしれないのかもしれない。
すがすがしいひと時であり、このような若者の存在を羨ましくさえ思えた。

今回の遠征は自分自身にとってもとても素晴らしい遠征であり、いい刺激になりました。
海外で飲むビールの味もまた格別でした。
このような機会をいただいた事を感謝すると共に、一人でも多くの塾生が海外の若者と空道を通した国際交流を行い、お互いを高め会えるようなより良い関係を築いていただけることを希望しながら筆を置きたいと思います。
塾長、奥様を始め遠征の準備をいただいた皆様、また、今回の遠征に際しご寄付をいただいた皆様、改めて御礼申し上げます。
今回、ブルガリアでお世話いただきましたディンコ支部長 とても実直お人柄で、何事も泰然と構えながらやるべき事はしっかりとこなされ素晴らしい方でした。またお会いできたらと思います。 ありがとうございました。

最後に、今回のヨーロッパ遠征のご報告が遅れ大変申し訳ございませんでした。責任ある支部長として恥ずかしい限りです。心よりお詫び申し上げます。

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