ブルガリア遠征 第一回空道ヨーロッパ大会

東塾長コメント

第一回空道ヨーロッパ選手権大会は、さる9月29日ブルガリアの首都ソフィアにおいて竹田恒冶(つねはる)日本大使にもご臨席、ご祝辞を頂き、参加国数は15カ国で、それにオブザーバーとして、来年2月16‐17日「第二回ヨーロッパ空道選手権大会」開催を企画しているロシアを始め、支部開設希望のルーマニア、イタリアなど数カ国を加えて約20ヶ国。2001年の「第一回世界空道選手権大会」の参加国とほぼ同じ国が2007年には「大陸大会」として開催できた事を考えると、感無量なものがある・・・・。次はアジア大会か・・・・。

今大会は、新しい空道面(商品名、Neo Head Gear空)の公式試合での初導入という意味でも歴史的な試合だった。ヘッドギア部分の修正の要は多少あったが(後頭部下方の紐が長すぎる。その位置をもう少し低くした方が外れにくい等)、今まで希望しても叶えられなかった多くの点が改良された。

1)従来のものと比べて、表面強化プラスチック面と顔との距離が近く、より実際の間合いに近くなっている。
2)その為、顔の表情がはっきり見える上に、当たった時の音が大きく、打撃の威力が見ている側にも伝わりやすかった。
3)ストレートの威力が増したことで、フック主体からストレートを交えたコンビネーションが増え、味のある試合が多くなった。
4)それでいて、大型選手同士の壮絶な打ち合いにも耐えた。

「これからの顔面攻撃認めた打撃競技の未来は面の開発如何に掛かっている」と以前から言っていたが、資金的な難しさ(金型製作に1000万円近く掛かる!!)から実現できなかったのが、今回、顔面攻撃可能な武道の将来性を買ったメーカーが大道塾の20数年に及ぶ実績を評価し、共同開発ということで実現したのだ! 「安全性がより高く、しかも、出来るだけ実戦(護身)に近い戦いが出来、従って見る側も楽しめ感情移入しやすい」というような、そんな夢に又一段と近くなった大会を、大きな事故もなく無事盛会裏に終えることが出来た!

今になって思えば、1981年の「顔面プロテクター導入による手(拳)での顔面攻撃解禁」は、「打撃(総合)武道」の将来はこれしかないとの絶対の信念(妄想?コケの一念?)ではあったものの、エンジンもない小船に乗り櫓や櫂一つで荒波に漕ぎ出すような、無謀、無分別とも言える船出で、暫く(10年ほど!! 笑)外からの大波小波、内からの浸水漏水に走り回されたものだった。
今回、それと同じ位の大きな変革を、小さな波風で乗り越えたと言うことは、潮の流れ(時代)の変化の大きさ、人智を越えた力の恐ろしさを感じると同時に、「空道はまた新しい時代に入ったのだ!!!」という、身の引き締まる思いを新たにした。

試合は今まで文字や写真という「情報」としてしか触れることが出来なかった「空道」というものを、直に目の当たりにしたヨーロッパの武道・格闘技愛好家の大きな声援で終始盛り上がった。
その中で、日本代表とフランスチームのリーダーという難しい役割を背負った、土田真也フランス支部長は公私にわたって厳しい条件ながら、第一回大会を成功させるために、8年ぶりの試合出場を果たした。 試合は第一回世界大会(軽量級3位)という実績のある選手ということで相手もかなり研究していたこともあり、出だしはパンチが空を切ったり、相手のパンチが見えず、度々貰っていたりした。相手は空手経験10年という中々の選手だった。しかしそこは試合巧者で鳴らした土田これを4−1で下すと、徐々にペースを上げ2回戦は相手の攻撃を見切りパンチを的確に当てて「効果」2を奪い文句なしの優勢勝ち。決勝はパンチの応酬をスウェーやダッキングなどでかわして的確なパンチを入れ「有効」を含む圧勝で、格の違いという感じで優勝した。詳しくは同行した各支部長のレポートで。

文章日付2007.10.15(2007年10月度ニュース掲載記事を一部改稿)

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