寮生堀越亮祐アジア予選レポート堀越亮祐(総本部)

押忍!総本部寮生の堀越です。今回、第一回アジア予選に日本代表として軽量級 高橋 腕先輩(新潟支部)、中量級 堀越亮祐(総本部)、重量級 山田 壮先輩(関西本部)の選手3名、審判として廣井支部長、飛永支部長、浜松先輩も同行されました。残念ながら女子の試合はなくなってしまい三輪先輩と岡先輩が演武をすることになりました。
これだけの人数でレポートを書けばかぶるかもしれないので、自分の選手としての視点で今回は書かせていただきます。

今回、海外に行かせていただくのは2回目ですが、前回(韓国・マレーシアセミナー)と状況が全く違うので不安もありましたし、試合だからといって普段あまり緊張しないのですがこの時は緊張していたと思います。 9月4日午後一で先生と奥さんと3人で早めにバスに乗り成田に移動しました。空港でみんなが揃うまで待っていると腕先輩も早めに着いたらしく一緒にみんなを待つまで色々お話させていただきました。そうしているうちに次々と先輩方が集まりいよいよモンゴルへ!モンゴルには途中北京経由で行くのですが、問題は北京空港で朝まで待つ・・・ということでした。各自朝まで自由だったのでみんな仮眠にはいりました。自分は周りが気になって寝られないと思っていたら気づいたら朝の6時!気付かぬ間に疲れが溜まっていたようです。

しかし、これからが本番!気合を入れてモンゴルへ。
丁度自分が座った席は窓側でモンゴルの大草原や馬や山羊の群れ、遊牧民の住むゲルなど飛行機から見られて感動でした。ようやくモンゴルの空港に着くと簡単な荷物チェック・・・本当に簡単です(汗)こんな簡単に入れるのかと思っているとモンゴルの支部長がモンゴル支部のチームジャージを着た選手らしき人2名を連れ、迎えに来て下さいました。
空港内で奥の部屋へ誘導されると少ししてモンゴルの取材陣が集まり始め、廣井支部長と腕先輩がインタビューに答えていました。

空港での取材が終わるとホテルへ移動しました。
ここで自分が気になっていたのは韓国でもマレーシアでもタクシーの運転には最悪だという印象しかなかったのでモンゴルはどうなのか・・・結果、予想を遥かに超える運転の、いや交通事情の悪さにびっくりしました。モンゴルでは右ハンドル左ハンドル決まってなく、買った車によって人が合わせるとのこと。しかも道路自体直した痕跡はあるもののデコボコで後ろの座席に乗った人はアトラクションにでも乗っているような体験が出来ます。(笑)
そうこうしているうちにホテルに着き、各自部屋へ。自分たちは支部長方と同じホテルで部屋は選手と支部長で分かれていました。でも気になるものが・・・部屋の前には[JAPAN]の紙が貼られていて隣の部屋には[KAZ]、向かいの部屋は[TPE]の紙が。どうやら選手は全員同じホテルで朝食も昼食も一緒にいただくようです。
が、今回ガイドしてくれたティムさんはモンゴル支部の塾生ですが英語がとても上手く山田先輩も仕事で英語を使うそうなのでティムさんと話ししていろいろ情報を聞くことが出来ました。最初の情報でカザフスタンが飛行機に乗り遅れバスで向かっている!と。しかもモンゴルまでは48時間・・・敵ながら大変だろうなぁと思いつつも今は自分たちが勝つことを考えなくてはいけないので、とりあえず切り替えて昼食に近くのレストランにティムさんが連れて行ってくれました。その席には台湾の選手も一緒で超重の選手ジェフと中量のデニオと日本勢の食事会になりましたが、最初はお互い話もなく気まずい雰囲気でしたが、山田先輩が楽しい話で堅い雰囲気を和ませてくれました。

ホテルへ戻ると夜まで時間があってので先輩方と周りの探索へ。以外と近くにスーパーみたいな店があり、水や食料を買うことが出来たので助かりました。
夜は歓迎パーティーでモンゴル勢と食事をしました。その日の料理はとても美味しそうな牛肉でボリュームもあり大変美味でした。選手は試合前なのでさすがにお酒は飲まず、ホテルへ戻りは早めに休みました。

9月6日、(5日は北京で過ごしたので)前日の食事会の時に試合前に体を動かしたいということでお昼から練習場を貸してもらい台湾の選手も一緒に練習をしました。といっても場所が同じなだけで手合せしたわけではないので、台湾選手がどんな技を使うのかとかはわからないですが、ジェフは前回の世界大会に出ていたみたいで技もパワーもありました。もう一人のデニオは今回は技を吸収したくて試合に参加したそうで、まだまだこれからの選手という感じでした。
でも韓国のセミナーの時もそうでしたが、みんな小さい時にテコンドーをやっているので足が柔らかくバネもあり下地はとてもいいと思いました。
こうして練習を2時間ほどさせていただいたのですが、その間ずっとモンゴルチームの人がビデオ撮影をしていてすごくやりづらかったです(汗)

練習の帰り

この日のこれからの予定は夕方まで自由で、夕方から試合会場に移りルール説明をして終わったら先生方と一緒に夕食だったのですが、タクシーの運転手の間違いか何かで先生方とは違う場所で夕食をいただくことになりました。(汗)
そこはバイキング式のバーベキューを食べることが出来るお店で自分の好きなものを選べるのがとても良かったです。味も美味しく日本人にも合う味でこの日もたくさんいただきました。
夕食後、ホテルへ戻りいよいよ明日は試合!と気合いが入ります。しかしカザフスタンはまだ来ていません(汗)試合に間に合うのか気になりつつも就寝・・・。

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7日朝早くガヤガヤと部屋の外がうるさいと思ったらカザフスタンがようやく到着!朝食を8時ぐらいにいただいている時にカザフスタン選手が来て一緒に朝食を、見るからに疲れている様子・・・。相手に同情しつつも試合は試合と割り切りホテルを後にし試合会場へ。

やはり日本と違って自分も緊張している感じでした。
でも言葉がわからないのであっという間に開会式も終り軽量級からすぐに試合開始!!どたばたしながら腕先輩の試合を応援しているとなにやら一階級ずつ決勝を残して全部やるみたいで、腕先輩の1回戦の相手は1試合空けてすぐに試合・・・日本じゃありえない進み方で、その腕先輩に負けた選手はとても強いのに2回戦目は体力が回復しておらずボコボコにされていました。
海外ではこういうこともあるのだと思い知らされました。

一回戦腕先輩の2回戦目が終わるとすぐ自分の試合で、カザフスタンの選手(KENESSOV YERZAN選手)でした。
身長は自分より小さく体型はがっちりしていました。試合が始まると自分の予想とは違い間合いをしっかりとる選手でした。でも自分が射程距離に入ってもパンチを打ってこないので変だなと思っていると、相手はタックルにきたり掴んで投げようとしたり組み系の選手でした。それがわかってからは寝技を2回潰しパンチでいきました。しかしそんなに甘くなく、相手の打撃も組みの選手だけあって上手くはないですが攻撃力はあり、組んでからのアッパーが危なかったです(汗)
それで打撃も注意しながらやっていると本戦が終わり延長戦へ。延長に入ると相手はバテているので自分のパンチが顔にヒットし判定で勝ちました。

二回戦2回戦目はモンゴルの選手(BATKHUU選手)と対戦しました。この選手は打撃も出来る選手でした。ちゃんと距離をとり、カウンターを狙ってくるのでパンチで対抗する自分にとっては相手の方がパワーがありやりづらかったです。組んでもただ力で投げるのではなくて柔道技を使ってくるのでどちらも出来る選手にどうしようかと思いましたが、考えても自分にはパンチしかないと思ったのでパンチでいきました。後半、モンゴルの選手もバテてきて延長でまたパンチの優勢勝ちしました。

3回戦(決勝)の相手はカザフスタンの選手(MALDYBAYEV ARKHUT選手)でこの選手はモンゴルの前回チャンピオンを倒して上がってきていたので、最初からどちらにも対処出来るよう気を張っていました。
でも相手も冷静でむやみに突っ込んでこないですし、やはり自分の甘い攻撃にはカウンターを合わせてきました。しかも、カウンターは1発2発じゃなく最低4発ぐらい打ってくるので下手に下がってもやられるだけでした。
本戦は良いところを見せられず延長へ!延長に入ると相手の動きが本戦よりも鈍く、自分のパンチが入り始めました。しかし相手もそのまま終わるはずもなくパンチの乱打戦になり、また最後まで手を出した自分の優勢勝ちでした。

決勝戦
決勝戦

アジア予選で自分はモンゴル人とカザフスタン人と対戦しましたが、感想はまずパワーが全然違うということと打撃にセンスがあり攻防になってもレベルの高い戦いをするということでした。それに小さい頃からやっているモンゴル相撲やレスリングで鍛えた投げは恐ろしいものを感じました。でも全員が全員ではないと思いますが、あきらかに日本人の方が体力があるということです。確かにカザフスタンの選手は48時間バスに揺られあまり寝てない状態で試合をしたとしても、体力の違いはあると思います。来年の世界大会に向けて、まずパワーとスタミナを付け今自分が持っている技の精度をあげていこうと思います。

こうして大会が終わりこの日の夜、全員でパーティーをしました。カザフスタンの選手はお酒は飲んでいませんでしたが我々日本チームは飲むのが当たり前!ということで塾長の『乾杯の儀式』を世界に広めながら楽しく頂きました。

・・・しかし次の日(9月8日)自分は前日調子に乗って飲みすぎたせいで二日酔いになり酷い思いをしました。
この日はモンゴル支部の審査会で基本からちゃんと教えるはずが自分は気持ち悪く立っているのでいっぱいいっぱいでした(悲)
しかし審査の組み手を見ると白帯や青帯を締めている人でも組み手の内容は相当高く、みんな予選に出られそうなレベルでした。やはり小さい頃からやっている下地がすごく活かされているんだとつくづく思いました。
審査会が終わり夜まで自由時間で夜は塾長や他の支部長方と中華を食べました。(自分は二日酔いが治らないのでお粥らしきものしか食べていません)

次の日(9月9日)午前中からモンゴル支部の会長さんの親戚が大草原に暮らしているということで2時間かけ大草原の中、車で向かいました。前にも書きましたが道路はデコボコで草原は道なのかわからないようなとこを走っているので気持ち悪いを通り越して無事に帰れるか・・・の状態でした(汗)

ゲルなんとか無事に着いたものの周りは草原、風をさえぎるものはなく10℃きっている気温の中強風のおかげで体感温度はそれはもう寒くて寒くて。でも沢山のヤギや馬、イヌ、大草原の中にあるゲル(遊牧民の家)はまさしくモンゴルのイメージ通りでその中に自分がいると思うと今すごい体験をしているんだと感動しました。
ゲルの中で少し休み外へ出ると乗馬を体験させていただきました。
だいたいみんな乗り終わると会長さんが馬に乗り颯爽と若い馬を捕まえ塾長のもとへ持ってきました。その若い馬はレースで優秀な馬の子供でその馬を塾長にプレゼントすると!!そうです!塾長はモンゴルに馬を持つ馬主になられたのです。こればかりはみんな「えー!!」とびっくりでした。(笑)
その後ゲルに戻ると一頭分の肉が待っていました。みんなで美味しくいただき、また2時間かけ町まで戻りました。夜になってモンゴルで最後の食事になりました。最後は(も)バーベキューで好きなものを好きなだけ食べられました。

次の日(9月10日)朝から空港へ移動し北京を経由して日本に着いたのはだいたい21時で、そこで各自解散しました。
こうして一週間のアジア大会は終わったわけですが、海外のパワーしかもアジアでこんなに違うものなのかと実感した遠征でした。
ロシアはもっとすごいんだろうと思うと来年に向けてしっかり練習していこうと気合いが入りました。遠征で良い結果を持って帰ってこられたのは事務局の方々や応援して下さった方々皆さんのおかげなので、これからも総本部寮生として恥ずかしくないよう頑張っていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。

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