モンゴル奮戦記高橋腕(新潟支部)文・画像

今回、モンゴル、ウランバートルで第1回体力別アジア選手権という記念すべき大会が開催されました。私は、東塾長から、その中の軽量級のクラスに出場する機会を頂き、ここにその試合結果と、モンゴルでの交流の様子を報告させて頂きます。

近年、私は、格闘技全般において、海外選手の活躍が多く見られ、日本人選手の活躍が少なくなっているように感じています。私自身、海外選手と手を合わせる機会を得るのは、3年前の2005年に行われた世界大会以来となるわけですが、その時に受けた海外選手のパワーと圧力は衝撃的でした。その後、その様な海外選手とどう戦うかを課題とし、日々研鑽してきたわけです。今回の大会は、そういった意味で、海外選手に私の戦い方が如何に通用するかを試すいい機会となったわけです。ですから、私の心境としては、そんな自分への期待と不安が入り混じり、なんとも言えない、いい緊張感を保ちモンゴルへ旅立つ事が出来ました。

旅立ち当日、新潟〜成田へ、そこで、東塾長他、他の出場選手と合流し、モンゴルへと飛び立ちました。まずは、経由地である中国の北京へ。モンゴル行きの飛行機の出発時間は、明朝という事で、空港内で一泊。(椅子での睡眠は、ちょっと辛い・・・。)次の朝、中国の朝日を背に受け、いざモンゴルへ。

北京空港 北京空港の朝

そして、無事モンゴル到着。空港でガントゥルガモンゴル支部長、そして通訳の方が出迎えてくださいました。が、そこには、なにやらカメラを持った仰々しい集団が・・・。話を聞くと、モンゴルのテレビ局の方々で、何でもアジア大会の模様をテレビ中継するということ。私も取材を受けました。(なんだか凄い・・・。)

会見をされる塾長 緊張する私

そんなこんなで、とりあえず明日の試合会場の下見へと。

試合会場 明日の勝利を誓う

中々でかい会場・・・、否応なしに気合と緊張が高まってくる・・・、ということで、選手三人で、明後日の勝利を誓う一枚を。(人が小さい・・・。)この後、宿泊先のホテルへと。
ホテルに着くと、今宵行われるウェルカムパーティーまではフリーということなので、他選手とミネラルウォーター等の買出しへ行き、その後、パーティーまで私の最大の娯楽である睡眠を。
パーティーは、モンゴル・台湾の選手たちと食事会。(カザフスタンの選手は、飛行機トラブルにより欠席)当たり前ですが、外人ばっかりだ・・・。(あちらもそう思っているでしょうけど・・・。)それにしてもやっぱ、みんなゴツい、自分が一番ヒョロイなぁ・・・。試合前ということもあり、お互い多く語らず、黙々と食事。その後、部屋に戻り、試合の事などを考えている内に、就寝となりました。

ウェルカムパーティーの様子

モンゴル2日目。この日は、モンゴル支部のジムで、合同トレーニングをさせて頂けるということで、ホテルで朝食をとって、ジムへ。すると、練習の様子を撮影したいと、モンゴルの練習生たちが撮影を。(何か、勝手が違って、やり辛いなぁ・・・。)ミット、マス、グラウンド練習などをいつもの様に・・・。と思ったのですが、何やら、いつもより息が上るのが早く、疲労感も強い・・・。(モンゴルに来て、突然、老いてしまったのだろうか・・・、いやちょっと待てよ・・・。)ふと気になり、時計に付いている標高計に目をやる。(やはり。)数値は、1480M、標高の関係で、酸素が薄いのである。(良かった、年のせいでも体調が悪いわけでもなかった・・・。)などと、妙な安心をしつつ、試合当日に。

合同練習の様子

そして、試合当日、いよいよ、出陣の日です。多少の緊張感は、否めませんが、体調のほうは、問題なさそうです。ホテルでの朝食も早々に、早速試合会場へ。いつも通りにアップを済ませ、いつもの様に淡々とその時を待ちます。そして、いよいよ試合開始。

第一試合
MALDEBAYEVAIBEK(KAZ)
第二試合
ENKHBAT.O(MGL)
決勝戦
ENKHBAT.O(MGL)

そして・・・。
・・・、優勝です。まだまだ色々と課題はありますが、何はともあれ良かった。ひとまず、自分に課した優勝という課題は、クリア出来ました。ほっと、一安心です。

そして、表彰式。

表彰式

気になる試合の感想の方ですが、やはり、海外選手は力が強い。日本人ならば、2・3階級上の選手と同じぐらいの力があるのではないのでしょうか。そのパワーから繰り出される、押しの強さは、流石です。中でも、投げ技時の引っこ抜く力は、驚きでした。冒頭でも言った様に、その力にどう対応していくかが、私にとっての今大会での課題でしたので、面食らうことは、ありませんでしたが、やはり、国内の試合では、あまり経験することのないものであることは確かでした。しかし、今回、課題である海外勢への対応、これを一つの形として証明出来た事が、私にとっては、大きな自信となりました。

さて、大会終了となれば、決まって行われますのが、打ち上げパーティー。その行われました場所は、普段なら、私は、決して立ち入ることはないであろう、セレブの象徴であるフランス料理店でありました。ボンジュ〜ル。

少し緊張気味の皆さん 東塾長の乾杯挨拶

先程まで、試合場で立ち会っていた相手とあって、最初は、幾分遠慮の様なものがございましたが、東塾長の乾杯コ〜ルの連続攻撃で、徐々に空気も和み、

東塾長の連続乾杯攻撃
攻撃を喰らう山田君
攻撃が決まり喜ぶ東塾長

気が付けば言葉の壁も何のその、私自身も、海外選手とも大いに親交を深め、

楽しい一時

その宴の声は、夜中、いつ終わるともなく響いていたそうな・・・。

みんな!!お疲れ様でした!!

試合から一夜明け、本日は、モンゴル支部での審査会ということで、一同ジムへ。東塾長の熱心な指導と、それを真摯な姿勢で聞き、実践する光景は、日本でも海外でも変わらず、身が引き締まる思いです。

審査会の模様

その後、中華レストランで中華料理をご馳走になったのですが、そこでは、山田君が私の制止を振り切り、ワインをがぶ飲み。全く、困ったものです…。しかし、山田君は、選手、通訳、そしてムードメーカーとして、とても頑張ってくれていました。本当に、助かりました!!ありがとう!!

明けて、次の日。今日は、モンゴル空道連盟会長の所有する牧場に招待してくれることとの事。身支度を整え、いざ、牧場へ。そして、超速で疾走する車に乗ること、2時間。現地に到着。ゲルと呼ばれる住居に案内されて、家族の方々と挨拶を。

そして、お待ちかね!!羊の肉と馬乳酒をご馳走に。

羊を切り分ける塾長
頬張る堀越君
頬張る私

これがどちらも美味!! この遠征中、選手としてのプレッシャーと戦いながら、寮生としての仕事を見事にこなしていた堀越君も、「美味いです!!」と言いながら、羊の肉を頬張っていました!!会長、本当にご馳走様でした!!
そうしていると、会長から塾長に突然のプレゼントが。なんと、来年の馬術大会で優勝を狙えるほどの名馬を、塾長へ下さるということに!!凄い!!

プレゼントされた名馬
来年のダービーを狙う塾長
ちゃっかり乗せて貰う私

楽しい時間とは、過ぎ去るのが早いもので、その後、モンゴルの方々と談笑し友好を深めていると、あっという間にホテルへ帰る時間に。会長の厚いおもてなしに感動すると共に感謝を感じ、名残惜しくもホテルへ。ウランバートルの町で、モンゴル最後の夜を過ごし、その日は、就寝しました。
そして、到頭モンゴル最後の朝。ホテルで朝食を済ませると、早々と空港へ。

モンゴルに最後のお別れ

無事、出国審査を終え、と言いたい所でしたが、流石です!!やってくれました!!皆さんお待ちかねの山田君の登場です!!なにやら、お土産で買った岩塩が怪しいものと勘違いされてしまい、荷物を開けさせられるわ、地下に連れ去られるわの大騒ぎとなりました。私も同じ物を買っていましたが、何の問題もありませんでした。やっぱり、役者が違うなぁ、山田君!!その後、結局、出国管理官の勘違いだったと解り、無事、帰国の途に。数十時間後、何の問題も無く、成田到着。流石にほっとしました。

しかし、何とも色濃い1週間。モンゴルにいる間は、考えもしませんでしたが、二度と出来ない体験をしていたと、今更ながら感慨深く思ってしまいました。皆さん、本当に有難うございました。
今回、この遠征に参加させて頂け体験出来た事は、空道の一選手として、また、空道を推奨し、教えていく立場の者として、大変大きな糧になっていくと思います。そして、この経験をこの先をしっかりと見据えた上で、今後の修練と後進の指導に活かせればと考えております。

最後に、今大会に参加する機会を与えてくださった東塾長、および事務局長、各支部長、先輩方々、並びに大会関係者の皆様、そして、この遠征を共に戦った堀越君・山田君、(この二人は、本当に良い青年でした!!)華麗な演武を披露してくれた岡さん、広報担当として奔走してくれた三輪さん、そして、新潟支部の山田先生と新潟支部の皆様に感謝の意を込めて、結びとさせて頂きます。本当に有難うございました。

モンゴル遠征記・番外編

これは、私がデジカメで撮影した、モンゴルの町の夜の風景です。しかし、そこに本来、居る筈の無い何者かが写りこんでいましたので、皆さんにもお見せいたします。写真右下をご覧下さい。何やら、人の顔らしきものが写り込んでしまっています。モンゴルの地に何か思いを残してしまった人の生霊でしょうか?

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