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第1回空道アジアカップ参加者レポート

関西本部 山田 壮

押忍、関西本部山田壮です。今回第一回空道アジアカップにて、僭越ながら-260日本代表として出場させていただきました。道中についてはコーチ陣、審判団の皆様が書かれる事でしょうから、試合について記述させていただきます。

計量

-250代表の加藤選手の持参した体重計を借りて計量したところ、体重は81.9kg、リミット-500gでした。

10月のモンゴルの気温は高くなく、空気も乾燥しており、日本での試合の様にコンディションを整える事が出来るか不明であったため、普段より体重を落としての計量パスとなりました。

空きっ腹のまま、未だ観客のいない体育館にいると体温が失われ、手足の感覚が鈍かったのが印象的でした。

試合当日

9時に起床して日本から持ってきた朝食を食べ、バスで試合場へ。11時からスタートとの事でしたが多々の予定変更で結局試合開始は13時を回ったあたりでした。現役日本王者+世界大会2位、という布陣で挑んだ本大会でしたが、初戦から皆苦戦続きでした。

キャリアが(だけは)長い私は、せめて士気を高めたいと一回戦を終えた子達に「お前ら、見とけよ!」と息巻いたものの、稲垣コーチにミットで追い込んでいただいても、野村君と寝技の打ち込みをしようとも温まり切らない身体に不安を感じていました。

第一回戦 vsイラン

一回戦はイラン人の選手でした。

こちらが試合場に立っても全然入って来ず、名前を呼ばれてから慌ててマスクを借りて登場。イライラしながらの試合開始でした。

いざ始まってみると突然走りこんできて、場外まで押し出されました。この力が尋常ではなく、背筋がひやりとしました。改めて続行、力任せに殴りつけてくるのですがこちらの突き蹴りが当たっても気にせず突っ込んでくるので距離が合いません。そのまま組みつかれ寝技の展開に。

両足がからまっているいわゆるガードポジションても上から力任せに締めてきます。少し落ち着けたので上下を入れ替えてマウントポジションを取り、極め、相手の後ろを取って裸締めでなんとか一本取りました。

二回戦

二回戦目はモンゴルの選手でした。

白帯で体格も大きくありませんでしたが、一回戦は一本勝ちとのことだったので警戒してインローを2発蹴り込みました。しかしカットするでもなく強引に間合いを詰められ、ロシア人がやる様な連打をもらい、崩れ落ちそうになり、効果を取られました。

そのまま寝技となり、なんとかマウントを取って効果を取り返しました。

稲垣コーチが「よし!取り返したぞ!」と言われたのを覚えています。立ち上がって再開、打撃ポイントを取り返そうと慌てたところでラッシュに巻き込まれてダウン、試合を止められました。

反省点

今大会の反省点について、コーチ、選手の反省会での話を含めてまとめます。
足りなかったのは以下3点です。

①フィジカル

第三回世界大会前後からウェイトトレーニングジムに通って身体強化に努めましたが、まだまだ足りないと感じました。外国人と日本人の差、というよりも鍛え方、試合での心構えの違いだと思います。

勿論ウェイトトレーニングをはじめとしたフィジカルトレーニングを再度やりこむのは必須としても、それ以外に考え方を改めねばならないと感じました。②にて後述します。

②打撃の心構えの差

空道における効果は「面がなければダメージがあった」と言うことで、綺麗に打撃をいれる事で(実際のダメージはさておき)効果ポイントを得られます。しかし今回のモンゴル人やロシア人に取って「面があってもぶっ倒す」勢いで殴りかかってきます。これは人種の差ではなく、心構えの差だと思います。第一回世界大会における稲垣コーチはじめ、かつての諸先輩方が強い打撃でKOの山を築いた様に、日本人でも①のフィジカルと心構えがあれば十分可能だと思います。無論確実にポイントを稼ぐのは必要な事ですが、温故知新、古い先輩に鍛え方、心構えを学ぶ必要があると思います。

③寝技の強化

私程度のにわか寝技でも二戦共に寝技でポイントを取れたことからわかる通り、寝技についてはあまり磨けていない国が多いと思います。怪我をしにくく、体力差を埋めやすく、明確なポイントを取れる寝技は各選手きちんと修める必要があります。
単純に柔術を学ぶだけではなく、空道の30秒で獲る寝技を研究・練習する必要を感じました。

最後に

以上、簡単ではありますが遠征レポートとさせていただきます。
同行いただいた審判団の先輩方、厳しく、そして優しい言葉をかけてくださった稲垣コーチ、コノネンココーチ、飛永コーチ、「お前には変な期待をしているぞ」と声をかけてくださった東塾長、遠征準備に始まり、遠征中も駆け回ってくださった由美子さん、30過ぎて長くやっているだけの私を先輩と慕ってくれたチームジャパンの他選手達、快く送り出してくれた会社の仲間、いつも応援してくれる友人達、5泊6日(1泊は総本部)の間、家を守ってくれた妻、本当に頭が上がりません。

私は世代交代、空道新時代と言われた2015年体力別でたまたま残った旧時代の選手です。しかしまだまだ、後輩に道を譲る気は一切ありません。鍛え直してリベンジをする所存です。今しばらくご迷惑をおかけ致しますが、よろしくお願い申し上げます。

押忍。

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