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第1回空道アジアカップ参加者レポート

全日本空道連盟 副理事長 高橋 英明

写真をクリックすると拡大写真を表示します。

私からは、10月4日に開催された第一回アジアカップの試合内容について報告します。

参加国は、日本、モンゴル、韓国、カザフスタン、タジキスタン、キルギスタン、イランの7ヵ国。それに来月の「第1回空道パンナムカップ」の為の視察と審判技術の向上のためにと遙々参加したチリのラファエル・ガレイ支部長。

選手は、男子-230が5名、-240が5名、-250が10名、-260が5名、260+が6名、女子が3名の、合計34名でした。

審判団は、日本からの6名(高橋、狐崎、神山、渡辺、飛永、コノネンコ)にチリのラファエルを加えた7名で、全試合の審判と監査役、および掲示係•計時係を務めました。

大会会場

大会前日の試合場

日本人選手の面々

開会式

日本人選手の試合内容については、次の通りです。

女子:

今野選手以外の2名はモンゴルの選手で、3名でのリーグ戦。
1回戦の相手は、身体指数では今野選手の方が上だが、相手選手も身体の力はある。

それでも、今野選手は掴みから小外刈りで相手を倒し、マウントパンチで「効果」を奪う。次に相手の中段回し蹴りをキャッチし、パンチを当てて「効果」を奪う。
これらの「効果」により、今野選手の勝ち。

青道着が今野選手

2回戦は、相手の方が身長、体重ともにひと回り大きい。

今野選手は大外刈りからのマウントパンチで、まず「効果」をとる。そのあと絞めに行くも、グランド時間切れ。

今野選手、上段の回し蹴りを合わせるが、浅い。カウンターのパンチで「効果」をとる。その後、掴んでの頭突きからパンチを出すも、効果までには至らず、試合終了。

「効果」二つをとった今野選手の圧勝。2試合ともに確実に「効果」二つをとった今野選手が、優勝。

青道着が今野選手

-230:

5名の参加選手による5角形の試合形式のため、全員がまず2試合ずつ戦う。
目黒選手の1回戦の相手は、モンゴルの選手。

目黒選手は、左の蹴りで攻める。パンチからの右の上段回し蹴りで「効果」をとるも、そのあと相手のカウンターでのストレートをもらい、「効果」を奪われる。

その後は、目黒選手は右、左とも、中段の蹴りをキャッチされるケースが目立つ。

旗判定は、目黒選手2、相手選手1、引き分け2により、延長戦へ。

延長戦に入ってからは、左下段、右下段、右中段の蹴りのあと、カウンターのストレートで「効果」をとる。続いてもカウンターのストレートで「効果」。下段回し蹴りで相手が体勢を崩して「効果」。パンチの連打から右上段回し蹴りが当たるも、旗は2本でポイントには至らず。最後はもうひとつパンチでの「効果」をとり、延長戦は圧勝。

白道着が目黒選手

2回戦の相手は、カザフスタンの選手。

目黒選手のパンチ、蹴りともに当たるが、浅いために旗はあがらない。

蹴りをキャッチされて、1回目のグランドへ。

目黒選手の投げからグランドに入るも、逆に上をとられる。

両者ともにハッキリとした攻勢点がなく、旗判定は、目黒選手2、相手選手1、引き分け2により、延長戦へ。

延長戦は、両者のパンチ、蹴りの出しあいで始まったのち、目黒選手がカウンターのパンチで「効果」をとる。続けて、ストレートでの「効果」、投げからの極めでの「効果」、再度ストレートでの「効果」をとり、圧勝。

青道着が目黒選手

決勝戦での相手は、他に2勝をあげたモンゴルの選手。この相手は、昨年のワールドゲームスで中村選手と戦ってよい試合をした選手。

目黒選手の中段の蹴りがキャッチされ、倒されて1回目のグランドへ。

そのあとも、目黒選手の中段の蹴りがキャッチされ、今度は抱えあげられて投げられ、相手に「効果」を奪われる。そのあと、2回目のグランド。

2回のグランド終了後も、目黒選手は下段の蹴りをキャッチされ、倒される。

良いところなく本戦が終わり、モンゴルの選手の勝ちかとも思われたが、旗判定は、相手選手に3本あがったものの、副主審と主審の引き分けにより、延長戦へ。

目黒選手が右の上段回し蹴りによりダウンを奪い、「有効」をとる。多少軽いかとも思われたが、この後の試合の流れを見ると、相手選手はこの蹴りのダメージを引きずっていた。

相手選手が目黒選手を巻き込んで倒し、グランドへ。しかしヒールを捻りにいったことで「反則」をとられる。

目黒選手の上段の回し蹴りで相手は体勢を崩して尻餅をつくも、ポイントには至らず。

目黒選手は中段の蹴りをキャッチされ、足払いで倒される。

その後、目黒選手は中段の回し蹴りから右のパンチに行くも、蹴りをキャッチされて倒される。1回戦から、こういうシーンが目立った。

結局、延長戦で「有効」を奪った目黒選手が勝ち、辛くも優勝。

白道着が目黒選手

-240:

5名の参加選手による5角形の試合形式のため、全員がまず2試合ずつ戦う。
川下選手の1回戦の相手は、キルギスタンの選手。

前半は、まず相手選手がタックルで入ってくる。これは切るも、その後、掴みから投げられてグランドになり、腕をとられかけるが、しのいで最後は川下選手が上になったところで30秒経過。

後半になって、川下選手の左上段回し蹴りが相手選手のマスクをかするが、浅い。右下段で相手を崩し、ストレートが当たるが、旗は1本しかあがらず、旗判定に。

川下選手に旗が3本あがるが、副主審と主審は引き分けを出して、延長戦に。

延長戦に入って、相手選手のカウンターパンチに旗が2本あがるも、ポイントには至らず。その後、川下選手のカウンターパンチが当たるが、旗はあがらず。逆に相手選手のストレートに旗が2本あがるが、これもポイントには至らず。相手選手がタックルからグランドに入るが、川下選手はしのぐ。ここまでは完全に相手選手のペースだったが、延長戦終了直前に、相手選手が川下選手を抱えあげて頭から落とし、ダメージはないものの、この危険行為に対して「反則1」となり、延長戦において両者ポイントなしの相手選手に反則1のため、自動的に川下選手の勝ちとなった。

この反則がなかったら、相手選手に旗があがっていた可能性が高く、川下選手は勝ちを拾った形。

白道着が川下選手

2回戦の相手は、モンゴルの選手。

川下選手のカウンターのパンチで旗が2本あがるが、ポイントには至らず。

右下段で崩したあと、パンチの連打で「効果」をとるが、これは「有効」でもおかしくなかった。さらに、左をカウンターで合わせて、「効果」をとる。

旗判定なしで、川下選手の勝ち。

他の4選手の中で2勝した選手がいなかったので、-240は川下選手が優勝。

実質的には、1回戦が優勝決定戦だった。

白道着が川下選手

-250:

-250は、10名の選手が参加したトーナメント方式。

加藤選手の1回戦の相手は、モンゴルの選手。

開始早々に加藤選手が上段に飛び膝蹴りに行ったところをタックルで倒されてグランドに。そのあとも、加藤選手の蹴りに対してタックルで倒され、グランドに入るも、場外に逃げて、2回のグランドが終了。

相手選手の掴みからの体落としで投げられるが、もうグランドはなし。

その後、加藤選手のカウンターパンチに旗が1本あがるも、ポイントには至らず。

試合終了間際になって、加藤選手が掴んでの膝蹴りの連打で「効果」を奪う。
旗判定になったが、5-0で加藤選手の勝ち。

打撃では「効果」をとったが、投げ、グランドでは相手選手が優勢だった。

白道着が加藤選手

2回戦の相手は、カザフスタンの選手。

加藤選手が出ていくところに相手選手の上段膝蹴りが軽くヒットし、そのままのしかかられてグランドへ。「効果」をとられてもおかしくないシーンだった。

2回目のグランドは、相手選手が上になるも、加藤選手が返して上になる。しかし、相手選手が再度上をとる。

相手選手に投げられるが、グランドはなし。

旗判定は、加藤選手2、相手選手1、引き分け2で、延長戦へ。

延長戦では、まず相手選手が掴んでのパンチから投げてグランドへ。

次も、掴んでのパンチから押し倒して2回目のグランドへ。一旦は加藤選手が返して上になるが、再度相手選手が上をとる。

2回のグランドが終わったあと、相手選手は、左手を伸ばして袖を掴んでのパンチというパターンを繰り返す。掴まれては、加藤選手が力負けする状況が続く。

出てくる相手を左下段で崩すが、パンチにつながらず。

結局、両者ともにポイントがないまま延長戦が終わり、旗判定に。5-0で相手選手の勝ち。

青道着が加藤選手

清水選手の1回戦の相手は、タジキスタンの選手。

清水選手は相手を掴んでの膝蹴りからテイクダウンし、ニーインザベリーから極めに行くも、「効果」はとれず。出てくる相手に膝蹴り。相手はバックハンドブロー。相手の後ろ蹴りを外してテイクダウンし、今度はニーインザベリーからの極めで「効果」をとる。

旗判定になるも、5-0で清水選手の勝ち。

白道着が清水選手

2回戦の相手は、モンゴルの選手。

相手選手から、まずパンチで「効果」を奪われる。清水選手のパンチにも旗が1本あがるが、ポイントには至らず。

清水選手が頭を下げたところにフックを合わせられ、膝をついたことから、相手に「有効」が入る。

モンゴルの選手の「有効」1と「効果」1により、旗判定なしで決着。

清水選手は試合前に体調を崩していたが、体調管理も試合のうち。

青道着が清水選手

-250の決勝は、加藤選手を破ったカザフスタンの選手と清水選手を破ったモンゴルの選手の試合となったが、モンゴルの選手がパンチの連打により「有効」をとり、決勝戦での自動延長はないため、本戦決着で優勝。

加藤選手が3位に入る。

-260:

5名の参加選手による5角形の試合形式のため、全員がまず2試合ずつ戦う。
山田選手の1回戦の相手は、イランの選手。

山田選手は、掴みから膝蹴りに行く。相手選手が上のグランドになるが、山田選手はこれを返してマウントからのパンチで「効果」をとる。そのあとでバックマウントからの絞めで「一本」勝ち。

白道着が山田選手

2回戦の相手は、モンゴルの選手。

山田選手は袖の長さが短く、主審に直される。日本の選手は、細かいところでも模範を示してほしい。

モンゴルの選手は、大振りだが速いパンチの連打により、「効果」を奪う。そのあと、山田選手もマウントからのパンチで「効果」をとるも、再度相手選手の速いパンチの連打にダウンし、「有効」を奪われる。倒れた山田選手への打撃があったことにより、悪質な反則と見なして、審判団は相手の「反則2」をとり、山田選手に「効果」が与えられる。

山田選手は合計で「効果」を二つとるも、「有効」と「効果」を奪われており、ここで敗退。

しかし、2勝をあげたのはひとりしかおらず、山田選手は1回戦で一本勝ちしたことから、準優勝となった。

優勝は、山田選手を破ったモンゴルの選手に勝った、カザフスタンの選手となった。

青道着が山田選手

260+:

260+は6名の選手の参加により、3名ずつのリーグ戦から勝ち上がった者どうしで決勝を行う形式。

野村選手の1回戦の相手は、韓国の選手。

相手選手の左中段回し蹴りをキャッチしグランドに入るも、下からの蹴りをもらって、相手に旗が1本あがる。再度相手の左中段回し蹴りをキャッチしグランド、絞めが決まりかかるも、場外。最終的には大外刈りからの極めで「効果」をとり、旗判定になる5-0で野村選手の勝ち。

青道着が野村選手

2回戦の相手は、キルギスタンの選手。

身体指数差は、40以上、野村選手の方が上のため、掴んでの加撃は禁止。

野村選手は相手の蹴りをキャッチして倒し、場内に引きずり入れたあと、十字絞めで「一本」をとる。

青道着が野村選手

決勝となった3回戦の相手は、モンゴルの選手。

相手選手の振り回すパンチの連打で、「効果」を奪われる。野村選手はそのまま相手を掴んで倒すが、脚をからめられており、「効果」をとるには至らず。

再度、相手選手のパンチに旗が3本あがり「効果」を奪われるが、野村選手はそのまま掴んでマウントにもちこみ、マウントパンチで「効果」をとる。

ここで本戦終了となったが、本大会は決勝戦での自動延長はないため、モンゴルの選手の勝ちとなった。野村選手は準優勝。

青道着が野村選手

長くなるのでレポートは日本選手の試合のみにしますが、他国からの参加選手の中には白帯や黄色帯の者も見られたが、全体的にはレベルが高い大会でした。それは、全日本大会での優勝者から3名しか優勝者を出せず、そのうちの2名も危うい試合があったことからもわかると思います。

身体の力が日本選手以上にあることは、ロシアの選手だけとは限りません。

そういった中で、国内での戦い方に終始したことが、苦戦の原因のひとつではなかったかと思われます。

塾長を囲む入賞者

日本選手の入賞者達

全てが終わって、笑顔の日本選手団

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