デトロイト遠征
デトロイトセミナー堀越亮祐

押忍、日進支部の堀越です。 今回アメリカのデトロイトセミナーに参加させていただきました。デトロイトは何かと治安の悪い話しをよく聞くのでドキドキしながらも塾長、由美子さん、安城同好会の加藤久輝さんと4人ということで出発前に景気付けに一杯やってから日本を飛び立ちました。

日本からデトロイトまでシカゴを経由しておよそ十数時間かかり到着し、少し疲れて来た一行に今回デトロイトで支部をやりたいという“ダンさん”が迎えに来てくれました。見た目は黒いスーツに坊主で首には何やら怪しいマークが・・・。
しかし英語のわからない自分にも親しく接してくれて、やはり武道を志している人は人種、環境など関係なくいい人が多いんだなと思っていた矢先・・・!? なんと乗客のスーツケースを受け取るところに、外から簡単に入って来られるというより、そこも出入り口の一つになっていて塾長始め皆で「治安が悪いのにこの造りはおかしいだろうっ!」とツッコミを入れてしまいました。
さすがアメリカ、日本ではありえない事が出だしから起こるとは・・・。
ともあれ何だかんだでダンさんに車でホテルまで送っていただきました。 到着したのが夜だったのもあるせいか日本より少し肌寒く感じました。 この日はホテルで夕食をいただいてから明日のセミナーに備え早めに休みました。

セミナー1日目

セミナーの1日目の参加者は約40人ほどで外人ということもあり体が大きい人が多く、テコンドー、柔術、伝統空手など様々な経験をもった人達が参加してくれました。この日は基本から移動、基本的な投げなどを中心に指導して後半から少し実戦的な技の紹介をして終了しました。
武道や格闘技経験者が多かったので皆バランスや感覚が良く基本も移動もスムーズに終わり、実戦的な練習も充実出来たと思います。

セミナーが終わってこの日の夜は恒例のウエルカムパーティーです!
今日、参加した人達も何人か集まりいよいよ始まりました。会場はアラビアンな雰囲気のいい感じのお店で料理もお酒もどんなのが出るのか楽しみにしていたとき、ウエイターからドリンクのオーダーを何にするか聞かれたので、とりあえずビールで!と注文すると何とこのお店はお酒を販売していないではありませんか!!
アメリカではお店でお酒を販売するのに免許がいるみたいで、大概のお店では免許を取得するみたいですがこのお店は頑張らなかったそうです・・・(笑) ここでまた日本ではありえないところを発見したのでした。
ちなみに食事は美味しくいただきました!

セミナー2日目

2日目は15人の参加者で前半は基本、移動、前日に行った技の復習をしました。後半はさらに細かい技の練習をしました。 今回のセミナーはいろんな所から参加していただいて、皆もっとやりたいとか日本に絶対行くとか大成功で終わったので良かったです。

無事セミナーが終わりお昼を食べに行きました。着いたとこはこれぞアメリカ!というようなスポーツバーで店内には何台ものテレビに、カウンターにはオシャレなお酒が沢山並んでいました。
今回はダンさんもしっかりお酒が飲めるところを調べてくれて塾長も満足げでした。しかしここでも問題発生!今度はお酒を飲むのにIDを提示しないといけないとのこと・・・由美子さん以外はみんな持って来ていたので由美子さんだけお預けでした。
何かとちょこちょこ問題がありますがここの料理も美味しく頂きました。

お昼の後はダンさんが観光に連れて行ってくれるということで久輝さんと行ってきました。ダンさんの通っていた高校やボクシングジムなど案内され当時の話しもして下さいました。話しを聞くと高校当時は治安が悪く学校に登校すると玄関に警察がいてボディチェックしないと入れないとか、ジムに通っている当時、靴のエアジョーダンが流行っていてダンさんが履いていたのを15歳ぐらいの子達に銃で脅されて奪われたとか、子供の8割はギャングになるぐらい日本とは違い過酷なところでした。

ボクシングジム

ダンさんの高校

 

場所は変わり今度はあの有名なエミネムが主演している「8マイル」のタイトルになっている“道”に案内してくれました。標識には8マイルの文字、他と変わらない普通の道です。しかしここを境に貧富の差が分かれており、エミネムも貧しい方から今の地位になるまで頑張ったそうです。 (※)ダンさんはこういう環境だからこそ武道の礼儀やギャングなど悪の道に染まらないよう支部で指導していきたいと言っていました。自分もダンさんの志しを聞いて頑張って欲しいと心から思いました。

※編集部注 デトロイトは「8マイル・ロード」を境に都市部と郊外に分かれており、この道は富裕層と貧困層、そして白人と黒人の境界線ともなっている。

夜は雰囲気のいいレストランでの食事で、アメリカに来てから料理の量が多いせいかお腹が減るという現象がなくなった自分はヘルシーにサラダだけいただきました。

3日目

次の日は観光とセミナーの次に大事なデトロイトにある日本領事館に行ってきました。
まず先に日本領事館にデトロイト支部ができる為、挨拶に行きました。入り口を入ると去年、東日本大震災のときにボランティアで協力してくれたアメリカ人の写真や震災に遭った子供達からの手紙などが展示されていました。
自分の地元である東北であのような大震災が起きましたが、沢山のボランティアや支援して下さった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

領事館を後に今度はデトロイト市内を観光し、着いた先はあの有名な伝説のボクサー“ジョー・ルイス”の銅像があるアリーナに来ました。このジョー・ルイスという人は人種差別の壁を乗り越え世界ヘビー級王者に輝いたデトロイトの英雄です。

次に着いたところは地元野球チームのデトロイトタイガースの本拠地でみんなダンさんからいただいたジャンパーを着て記念撮影をしました。

夜はダンさんの自宅に招待され奥さん手作りのアップパイもごちそうになりました。
今回のセミナーを振り返ってみるとダンさんの武道家としての考え方や育って来た環境での青少年の育成に真剣に取り組み、道場で正しい道に導きたいという強い気持ちが伝わってきました。
日本の武道は改めてすばらしく、大事なものだとわかりました。
このセミナーに同行させていただいたことに塾長をはじめ沢山の方々に感謝して終わりたいと思います。
ありがとうございました。押忍

堀越亮祐(日進支部)

更新日2012.3.29

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