キューバ・メキシコ遠征  >  中村知大

キューバ・メキシコ遠征レポート

押忍。早稲田準支部の中村知大です。同行させて頂いたキューバ・メキシコ遠征の報告をさせて頂きます。

出発

池袋から東塾長、事務局長と同行させて頂き成田空港に到着しました。空港で黒木支部長、小松支部長、加藤久輝先輩と合流し出国。
飛行機内では、到着3時間前ぐらいまで飲み続け社会の厳しさを痛感しました。ヒューストン―メキシコと経由しキューバに到着しました。ヒューストンでは税関のために外人っぽく「Sightseeing」を言う準備をしていたのですが、はぁ?と言われ、潰れた耳のおかげで柔術をやっているという税関職員が優しく通してくれました。

キューバ

キューバはとても暑く正に南国といった感じでした。大学教授をしているというロペスさんとピノ先生と合流、その日はホテルのジムで汗を流しました。
翌日は、空道のデモンストレーションのあと皆でマススパーを行いました。柔道のナショナルチームの選手もきており、組みのレベルがかなり高かったです。何より皆ガチで向かってきます。素面でも関係ありません。小松支部長の「リラーックス!」という言葉が響き渡り、怪我をしないよう力を抜きながらやるようにしました。

無事に練習を終え、柔道でそこまで強くなった人達が大道塾に興味を持ってくれていること、何よりほぼ日本の裏側の様な場所で武道をやっている人達の姿は感動を覚えました。また、キューバは柔道やボクシング等アマチュア競技になかなか力を入れている国であるということで空道が根付いてくれれば一気に広まってくれる可能性を感じさせてくれました。
ロペスさんピノ先生とはその日に別れ、チャイナタウンで2軒はしご。次の日の早朝にキューバを出国しメキシコシティーに到着。そこから国内線でモントレーに向かいます。

メキシコ到着

ホテルに到着しメキシコ支部のカルロス支部長と合流しました。カルロス支部長は会社の役員をやられているということで立派なホテルに泊めて頂きました。ホテルのジムで汗を流し、ここで遠征中、初めての犠牲者として黒木支部長が下痢でダウン。加藤先輩も多少ダメージを受けていらっしゃるようでした。その後、カルロス支部長の道場を見学。マットが柔らか過ぎて指先が引っ掛かってしまうところが若干気にはなりましたが設備が整っており立派な道場でした。壁には恐らく「血が滾(たぎ)る」ということ表現したかったでしょうか、「血液の夜明け」と日本語で書かれ、武士がうなだれているポスターが貼っていました。間違った日本語でも懐かしく感じました。道場生と初めて対面し何より若い生徒が多いことに驚きました。

ルールセミナー

次の日は朝から高橋師範と合流し、ホテルでルールセミナーが行われました。高橋師範が主審、黒木支部長・小松支部長が副審、加藤先輩と自分が実際に動きながら説明をして行きました。メキシコ側から細かい部分に対しても積極的に質問が出てきて大変有意義なものになったと思っています。また、選手としてルールを理解しているつもりだったのですが間違って認識していた部分(連打でのポイントの取り方等)もありました。試合で勝つためにはルールを熟知していることは当然であり、反省する部分です。ルールセミナーの中ではアカプルコの選手から「腕十字で相手が我慢して取れなかった際にキーロックに移行するのは良いのか?」という質問が出ました。その場では、ルールに書いてある技だけを認めるという形でとりあえずは禁止としましたが、キーロックを筋肉潰しとみるか、肘関節を決めているとみるか、たった30秒ぐらいの痛みを我慢出来ないのが悪いのか、そもそもルールで最初から有効な技と認められていないから禁止なのか、選手としては若干の疑問が残りました。
そして次の犠牲者として小松支部長が下痢でダウンされました。

セミナー

その日に18時からセミナー開始です。セミナーでは時間があまりなく、東塾長が基本、高橋師範が技術講習を担当されました。自分が高橋師範の受け手を行いましたがセミナー前から腹が張ってきており不安でいっぱいでした。
セミナーは半分以上が高校生以下ぐらいの若い選手でした。基本にしても技術練習にしても本当に一生懸命やってくれて、こちらもやっていて非常に気持ち良かったです。
夕食をとってホテルに戻ると案の定、下痢でダウン、体もだるく風邪をひいた様な状態になり、すぐに寝ました。

審査

次の日の朝。予定としては朝から体力指数の測定、18時から審査ということでその間に博物館に行くことになりました。しかし自分は体調が回復しておらず、次の日から試合であることを考慮し体力指数測定の後、部屋で休ませて頂きました。18時からの審査では、基本、移動とやり、カルロス支部長が昇段審査を受けられて見事2段を取得されました。

試合

次の日にやっと試合です。トイレの場所を確認してトイレットペーパーをすぐ取り出せる状態で鞄の中に準備し、試合に臨みました。一回戦シードでその後、決勝戦を合わせて4回試合をやり準優勝でした。決勝は加藤先輩とやり、無差別全国大会に向けての良い勉強となりました。標高が高いせいなのか2分ぐらいで日本での試合ではありえないくらいに息が上がりました。
準決勝でやった選手は体のバネや体力もありましたし、高校生ぐらいの若い選手達が非常に気持ちを前に出した良い試合をやっており今後、メキシコはどんどん強くなると思います。

最後に

時差のせいなのか遠征中、異常に眠かったです。しかし眠い時は「人生の転換期」だそうです、遠征中転換期が少なくとも6回ぐらいは来ました。転換期のせいなのかビールのせいなのかは分かりません。

見た目も言葉も違う人間が一つの競技を通じてつながれることは本当に凄いことだと思います。そのことを本当の意味で身にしみて感じることが出来ました。遠征中、語学能力の乏しさから伝えたいことが伝えられないし、相手が言っていることが理解出来ないことは非常に歯痒かったです。動きだけで伝えられることも多くありましたが、自分が英語をちゃんと話せたら、もっとうまく伝えられたのにと思うと残念です。

初めての海外渡航がキューバ・メキシコに空道のセミナー・試合をしに行くという稀有な経験をさせて頂きました。このような機会に声をかけて頂いた東塾長ありがとうございました。事務局長・高橋師範・黒木支部長・小松支部長・加藤久輝先輩、ありがとうございました。今後、この経験を自分の人生に活かそうと思います。押忍。

中村知大(早稲田大学準支部)

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