香港セミナー藤田忠司(三河豊橋支部)

押忍、三河豊橋支部の藤田忠司です。
この度、東塾長、事務局長、西尾同好会の榎並さんとともに参加させて頂きました香港セミナーについてご報告させて頂きます。

6月17日〜20日にかけて香港セミナーに同行させて頂きました。
今までも、海外遠征のお誘いは3度ほど頂いておりましたが、縁がなく参加する事が出来ませんでした。
心身共に絶不調の今、自分を変えるのにも最高のタイミングであり、このお誘いは自分を見直す絶好のチャンスと思えた事から、会社に無理無理に有給休暇のお願いをして参加させて頂く事に致しました。
もちろん、参加する事と同時に私ごときにセミナーなどが出来るのか?と言う不安もありました。 セミナーには、塾長、事務局長、西尾同好会の榎並さんと4人で行く事となり私と榎並さんはセントレア、塾長と事務局長は成田からの出発で現地で集合という事になりました。
事務局長が海外旅行に不慣れな私達を心配して何度も電話で確認してくださったおかげで2人とも用意は万全のはずでした。

ところが、思わぬアクシデントが発生。
私は嫁の実家が武豊町(セントレアまで高速で15分程)である事から前日に嫁の実家に泊まらせてもらった為に朝も充分余裕があり集合時刻の8時15分に到着しました。
そして、着くと同時に榎並さんから電話があり、まだ名古屋にいるという連絡でした。
念のため、空港のカウンターで確認したところ「9時くらいでも構いませんよ。」との余裕の応対でしたので安心して待っていました。
そして8時50分頃に再び榎並さんからの電話。
「どこにいますか?」
という会話の後、どうも話が噛み合わない。
なんと榎並さんは名古屋空港にいたのです。
間に合うのか?
慌てて空港のカウンターに戻り時間の確認をした所、9時半でギリギリ、9時半過ぎたら責任は取れませんと厳しいお言葉。
急いでタクシーで向かう榎並さんにその言葉をそのまま伝えていたところで、海外旅行慣れした嫁の出番です。
嫁にも榎並さんの番号を教えて2人で榎並さん本人でなくても出来る事をすべて段取り。
あとは本人を待つ事に。
本来なら榎並さんとは週1回一緒に稽古しているので打ち合わせも出来たはずなのですが、今回私が怪我をしていた為練習が中止となり、当日まで会えなかった事も原因でした。そんな後悔をしている中、出発3分前にギリギリで榎並さん無事到着。
空港間違いはよくあるミスらしく、タクシーの運ちゃんも道に慣れていたおかげで間に合いました。
あ〜良かった。2人で嫁に感謝。
そんな事から、今回ばかりは嫁に高級なお土産を!と誓い飛行機に乗り込みました。

無事に香港に到着し、空港で塾長と事務局長を待つ間、少しのティータイム。
そして塾長と事務局長の到着。
急いで挨拶に向かおうとした・・・と同時にピンクのシャツを着た現地人が走ってきました。
その男の名はヘンリー・チェン。どこか気さくであどけない印象でした。
到着後さっそくヘンリーさんのオフィスに行き打ち合わせをしました。
ここでビックリしたのがヘンリーさんは設計事務所の社長さんだったのです。
そんな身分を隠し、ただ空道を熱く語るヘンリーさんに私は好感を持ち始めました。

そして、ヘンリーさんの道場も見学しました。
地元豊橋では考えられない高層ビルの中の道場。
エレベーターで6階へ行き、ドアが開くと同時に酸っぱい匂いが鼻を衝きました。
何故かジョイントマットが所々湿っています・・・。(笑)
稽古が熱いのか、掃除が甘いのかはいまだに謎です。
道場には剛柔流のエンブレムやブラジリアン柔術のエンブレムやその他ボクシングや空手などのいろんな団体の写真やセミナーの様子などが貼ってありました。私的には、こんなつまみ食い状態で大丈夫なのか?現に柔術のエンブレムの上に空道の文字が貼ってあります。その時の気分でまた変わったりしないだろうか・・・と心配になりましたが、最初から全部を兼ね備えている空道を知っていれば空道一本であったに違いないと私なりに解釈し、ヘンリーさんにも確認したところ、私の予想通りの回答でほっと一安心(笑)

初日は、おそらく稽古が終わったところで2名くらいしか生徒がいなかった為、道場見学のみで帰る事になり、その後ヘンリーさんの家族を交えての食事会をしました。ヘンリーさんの奥さんのキティさんはとても優しい方で、娘さんのクリスティーちゃんはとても真面目でしっかりした子で息子さんのヘイドンくんはとても愛嬌のあるやんちゃ坊主で楽しい一時を過ごす事ができました。
その後夜景まで見せに連れて行ってくれるサービス精神旺盛のヘンリー一家にとても感激しました。

ヘンリーさんの家族を交えての食事会をしました

サービス精神旺盛のヘンリー一家にとても感激しました

2日目は、またまたヘンリーさんがホテルまで迎えに来てくれ、市内観光後、香港柔道館館長であり、邦人安全対策連絡協議会の座長の岩見武夫館長の元へご挨拶に伺いました。
普段はなかなか聞くことの出来ない貴重なお話をお伺いすることが出来て、とても勉強になりました。

それから、フットボールクラブの見学に行きました。
廊下には、歴代の優勝チームの写真などが飾ってありました。
その中にヘンリーさんを何度か発見。
彼は昔、フットボールクラブに所属しキャプテンも勤めた名選手だったのです。益々ヘンリーさんを尊敬してしまいました。
フットボールクラブを後にして、別の場所へ移動する道中、私が嫁に頼まれた娘の印鑑の件を塾長、事務局長が覚えていて下さった事により、一部の予定を変えて印鑑を買いに連れて行って頂きました。私のつまらぬ用事で観光の流れを変えてしまった事を申し訳なく思うと同時に皆様のお心遣いに本当に感謝しました。
昼食はヘンリーさんのおもてなしで今度はプール付の豪華なレストランでバイキングでした。ここでも奥さん、子供達の登場です。 塾やスクールなどの忙しい中で家族揃って来て頂き、そのおもてなしの気持ちに心から感謝しました。

昼食後、ホテルに戻り少しの休息をしていよいよ香港初の空道着に着替え道場へ向かい、前日と変わらぬ酸っぱい道場へ到着しました。生徒が次第に集まり緊張も高まる中、ほとんどの生徒が白帯を締めてるせいかどこか頼りない風貌に思え、大丈夫なのか?っていう感覚になりました。
昔でいうレッドビッキーズの選手を見ている感覚でした。
しかし、いざ基本稽古に入ると私の心配を他所にとても上手でした。
何より、真剣さが違います。
少なくとも三河豊橋の一般部よりは・・・。
ここでまた反省。

塾長の説明を真剣な眼差しで注目するヘンリーさんと道場生。
塾長の1つ1つの説明にうなずき感動しています。
私も、1道場生に戻り真剣に聞いていました。
そんな中、 稽古の中で塾長より「2つ程技を披露してやってくれ」と言われました。
前フリはあったのですが、どうしよう。突然の中でやった技は小川先輩に教えて戴いた技でした。いわゆるパクリです。
技に感動する生徒を横目に四日市方面にお辞儀をしたい気分になりました。
小川先輩!こんな所までありがとうございました。

基本メインの初日の稽古も終わり、再びヘンリーさんのおもてなし。
今回はヘンリーさんの道場生も一緒です。
ヘンリーさん曰わく、今日の店は安い店。安い店の雰囲気も味わって欲しいという事で店が決まりました。
ところが、その店は安いばかりか汚い、マナー最低、マズい!の日本ではあまりお目にかかれない様なお店でした。(笑)
共用のテーブルと思いきや、縄張りがあるらしく場所の狭さから隣のテーブルの椅子に置いてある鞄をどけろと怒り狂うオヤジ。睨みつけ、しつこく見にきます。気分が悪くなったところで出てきたビールはゴミバケツに使ってるようなバケツに入れて持ってきます。
メインの食事は最高に不味く、一番無難に思えた麻婆豆腐でさえも良くもここまで不味く作れたのかと感心しました。
そんな中でも皆で楽しく過ごせたのは空道マジックとしか思えません。
ここの店の話はその後、食事をする度に出てきて盛り上がれた事から今となっては行って良かった気もします。

そして3日目、ヘンリーさんの昇段審査の日。
そんな時でも陽気に迎えに来るヘンリーさん。
こっちが心配になってきます。

この日は世界一長いエスカレーターを見せたいという事でに行きました。
山の上まで続く市場、そこで買い物をする為に出来たそうです。
時間によって上りと下りの片方ずつが稼働します。
私達の乗った方は上りでしたので楽でした。

その後、再びヘンリーさんのおもてなし。
ホテルに戻るとすでに2時。
審査は3時からなのにヘンリーさんは大丈夫なのか?
家に戻る時間もないので、着替えてくる私達を車で待つヘンリーさん。
本当に大丈夫なのか?
そして酸っぱい臭いの道場に着き審査が始まりました。

道場では 緊張した表情で審査に備えるヘンリーさんとゲドウさん。
受けない他の道場生はどこか涼しい顔。2人の相手に選ばれる事も知らず(笑)
基本稽古が始まりました。
初回が昨日とは思えない気合いの入った基本稽古。
自分自身にも気合いが入ります。
基本中の塾長からの指摘を自分自身も確認しながら熱のこもった基本稽古ができました。

基本が終わり、すぐに2人の昇段審査を行う事になりました。
連日の私達のお供で疲れは大丈夫なのか?ヘンリーさん。
緊張で夜も寝れなかったゲドウさん。
そんな中、相手が1ずつ選ばれて行きます。
そして、2人の相手が決まり連続組手が始まりました。

最初はゲドウさんからです。
あどけない笑顔で人柄の良いゲドウさんでしたが、始めの合図とともに、顔つきが変わりました。
1人目からかっ飛ばします。
これがまた強い!
ボクシングの経験もある彼は、パンチがもの凄く正確で重そうでした。
次々とポイントを取っていくゲドウさん。
負けずに倒れてもすぐ立ち上がる対戦相手。
打撃は顔面ルールも顔面なしルールも圧倒的でした。
寝技ではまだ苦手な部分が見え得点にはなりませんでしたが、完全に合格点となりました。そして、次はヘンリーさんの番です。

体が重たそうなヘンリーさん。
どうも動きがぎこちないです。
やはり私達のハードな接待で疲れているのか?
そうこう思ってたうちに効果を取られてしまいました。
踏ん張るヘンリーさん。
しかし、組手を重ねているうちに自分の得意なパターンが出だし逆にポイントを取れるようになりました。
その時、道場生一同の声援。
技が決まる度に盛り上がります。
私も副審の立場で無意識に応援していました。
そう思わせる事こそヘンリーさんの人柄の良さだなと思いました。
そしてこの様な道場生の声援が出る事も【やっぱり支部長になる人なんだなぁ】と感じました。
最後の寝技で決めれば合格。
かなりの疲れは見られましたが、柔術紫帯のヘンリーさんだけに危ない場面はありませんでした。
ヘンリーさんも見事合格する事が出来ました。
道場生みんなで喜び合いました。
そして、塾長からの合格を聞くと、喜ぶと同時に脇に置いてあった自分の黒帯を手に取り、嬉しそうに締めるヘンリーさん。
まるで子供のようでした。

昇段審査も終わり、残った時間で技の研究をして2日目のセミナーも終わりました。
感動とすがすがしさで酸っぱい臭いの道場もいつの間にか気にならなくなっていました。
記念撮影などを終えて道場を後にし、またまたヘンリーさんのおもてなしです。
船に乗りながらの香港の夜景を見ました。
とても綺麗でした。

船を下り、音楽に合わせ変化するイルミネーションとビルの間を飛び交うレーザー光線が香港の夜を彩ります。しかしこの日は残念な事に霧でほんの一部しか見れませんでしたが鮮やかなものでした。
しばらく、その光景を眺め歩いていましたら、ブルースリーの像がありました。早速、今回仕事で参加出来なかった寺園先輩へのお土産として撮影をした後、榎並さんとも記念撮影をして思い出がまた追加されました。

ホテルに戻りエレベーターの前まで行った所で、塾長より「まだ早いな」と言うお言葉。
もう一度4人で飲み直す事になりました。
「せっかくだからお洒落な所で」という塾長のご意向でフロントに聞いて店に行きました。 ところが店に着くや否や店員がしかめっ面をしています。
どうやら私と榎並さんの格好が気に入らないみたいです。
塾長が必死にかばってくれましたが私たち2人は門前払いになり、着替えてもう一度出直す事になりました。
行く前から事務局長には半ズボンや草履以外のそれらしい服装の用意の話もありずっとその格好でいた私たちでしたが、今日に限って半ズボンと草履です。 なんて間が悪いのでしょうか。
ホテルに戻り着替えました。
この際なので大道塾のネクタイを締めて再び登場しました。店に戻ると先程のしかめっ面ではなく笑顔で迎えくれたウエイトレス。
服装ひとつでここまで変わるものなのかと感心しました。

塾長、事務局長、榎並さん、私と4人で楽しいひとときを過ごしました。
その楽しい会話の中で、塾長と事務局長が今月に結婚30周年を迎えた事を知りさらに宴は盛り上がりました。
その時の塾長がしみじみとおっしゃった
「年が経つ度かあちゃんには頭が上がらなくなる」
と言う言葉がとてもリアルで印象的でした。
いつまでも仲の良い塾長と事務局長を羨ましく思うと同時に私も嫁に頭が上がらなくなるのか!?という恐怖を感じました。(笑)

とうとう最終日です。
朝11時にヘンリーさんが迎えに来て食事して帰る予定の所をお土産を買う時間がないとわめく私と榎並さんの為、塾長、事務局長のご配慮で私達2人は直接待ち合わせのタイムズスクエアへ向かい、時間になったら迎えに来て頂く事になりました。
タイムズスクエアへ着くと、そこはお土産売り場というよりは高級デパートでした。
ブランドのテナントが立ち並ぶ高級感溢れる空間です。
もちろん、手の届かない商品ばかりです。
どうしようかと悩んでた所、地下に食料品売り場を発見。
よしこうなったら・・・と2人でお土産になるような物を探すのですが、これだ!と思う商品のほとんどが日本でも買えるものばかり・・・。
あたふたしているうちに集合時間は迫り、私は結局ラー油とソースしか買えませんでした。

あとは空港での買い物に賭けて、その場を去りました。
そして空港へ。
ヘンリーさんは私達を降ろし、何度も手を振って帰って行きました。
【もっといろいろ話したかった・・・】という後悔が残り、英語を覚える事を誓いました。
空港で事務局長は7月にドイツ・フランクフルトで行われる「欧州交流大会」の会場やホテルの下検分の為、そのままドイツに行かれました。

どこか寂しそうな塾長とお話をし、残された時間でお土産探しのリベンジです。
あれもこれも・・・と迷っている内に出発の時間が刻一刻と迫ります。
結局何も買えないまま搭乗時間ギリギリになってしまい、慌ててゲートに向かうとスチュワーデスさんが搭乗の最終の呼び出しをしていました。
【道場のこども達のお土産がない。】 ・・・が、泣く泣く飛行機に乗りました。
こうなったらセントレアで買うしかない。

ところが・・・空港へ着き辺りを見渡すと、売店は見事に閉まっていました。
その時、嫁からの電話。
お土産の事を話し助けを求めた所、一軒シャッターが半分閉じた店を発見してくれ、そこでお土産をゲットしてくれました。
あ〜助かった。
今回のセミナーは行きも帰りも大活躍の嫁。
あっ! 嫁にお土産買ってない!!
離陸と同時に誓ったはずなのに・・・。

それにしても娘の印鑑を買っておいて面子は保てたのが 唯一の救いでした。
また、そんな状態でしたので、行きにもらった小遣いをごまかす事なく返した事は言うまでもありません。
香港セミナーは本当に楽しく、有意義な4日間でした。そのおかげで自分自身も前向きな気持ちでまた頑張ろう!という気持ちになりました。
今後、海外セミナーにまた参加させて頂けるよう実績も残せるよう日々精進します。
最後に今回誘って頂き、数々のお心遣いを頂いた塾長、事務局長、一緒に頑張った榎並さん本当にありがとうございました。
空道やってて本当に良かったです。

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