東孝の格闘空手 空手リアルアーツシリーズ ⑬ VOL2

この連載は『月刊空手道』(福昌堂発行)1985年10月号に収録されたものです。肩書は掲載当時のものです

これは蹴りから入るトリックの代表的なものである。見慣れていないと往々に反してもらってしまうコンビネーションである。

分解  一瞬の判断を的確に!

前蹴りへの対応は

1ステップバックする

2膝を上げる(写真1)

3肘を落とす

4左腕で払う(写真2)

5右腕で払う

6間合をつめる

以上、およそ六つのパターンで対応して反撃につなぐというのが一般的なところだが、それらにもそれぞれ欠点、弱点がある。

1のステップバックは確かに安全ではあるが、その分自分の撃がワンテンポ遅くなる。したがって自分もすぐ反撃しようとすれば2~6までの対応がよく使われる。この際に有効となるのがこのトリック攻撃である。右前蹴りがきたなと思って2~6の動作をすると2は片足立ちとなるため動きが止まり、次の速いパンチに対しフットワークが使えなくなる。

3~5は腕がさがってしまい、右ストレートへのブロックが遅れてしまう。6は自分からパンチに飛び込んで行く形になってしまう。

このようにどの受け方も完全ではありえない。しかしこのトリックも目が慣れていれば受けるのにそれほど難しくはない。トリックを見切れば、飛び込みながら出てくる右ストレートを左腕でブロックし、右ストレート(相手の次の左フックのブロックにもなっている)でカウンターを入れることができる。

問題は攻撃する側も受ける側も一瞬の判断を適確にすることである。

さらにいうならば、右前蹴りの後の右ストレートがブロックされそうな場合は

一瞬の機転でその先を読み右前蹴り(トリック)から左ストレート→右フックで極めてもよい(写真3)。