イギリス遠征
イギリス海外セミナー遠征同行記狐崎一彦(盛岡支部)※文、画像

この度、イギリスで海外遠征がある旨、総本部から連絡が入り、心ときめく気持ちとまだ行ったことがない異国になんとしても同行したいという念から、「大道無門」の大道塾、『押忍』の返事をいたしました。イギリスといえば、映画『007』、自分は大ファンで、(全作品鑑賞済み)ジェームズ・ボンドに、もしかしたなら会えるかも・・・しかし、いつもながらの大道塾、遠征中に何が起こっても決して不思議ではない・・またまた、どんな珍道中になることやら楽しみも膨らみました・・?(笑)ワクワク、そしてドキドキ・・・・。

さて、旅行当日、成田空港第2ターミナルに全員集合、重くなったスーツケースとカメラ機材をリュクに背負い込み、いつもながらカップラーメンを1箱持参。(塾長のため・・貴重品)今回の参加者は、東塾長、自分と神山日進支部長、佐藤繁樹仙南支部長、品野岸和田支部長、総本部事務局から東由美子さん、大会に出場する中村知大選手計7名の参加となりました。

午後1時30分、成田空港を出発、由美ちゃんが昨年まで勤めていたブリティシュエアウエイズ(英国航空)という事もあり、総本部の配慮で機内では比較的広いスペースの座席を確保して頂き、飛行時間約12時間ではありましたが、従来になくゆったりと座れて、腰や膝のあちこちが痛くなることが特になく大変助かりました。そんな機内では、映画を楽しみながら無事にイギリスヒースロー空港に到着、イギリス支部のアナス一行の出迎えを受け、宿泊先であるスラウ、クラウンプラザホテルに移動した。ここで、またハプニング、神山支部長と同室となったわけであるが、部屋がダブルベットに通された。・・・しかも、部屋数が足りない、ドアロックをかけてしまい、部屋に入れない・・・いやはや、疲れがどっときました。(笑)落ち着いてから、軽い食事と明日開催されるセミナー、大会の打ち合わせを行い、ベッドで深い眠りにつきました。(もちろん、シングルベッドです)

翌日、セミナー、昇段審査会、地区大会とぎっしり予定がはいっており、円滑、スピーディに事を進めようと思うが、ここは海外、配慮というか我々に対しておもてなしの気持ちがない。いつになったなら始まるのか・・・(笑)、『こりゃ、時間かかるぞ』と東塾長を初め一行苦笑い・・・アナスもどっしり構えている気がした。ここ、ウインザー支部はヒースロー空港近くで移民が多く在住しており、しかもイスラム教を崇拝している人も多く、モジャモジャひけがあごに生えている人が目立った。身なりもそれに近い服装である。イギリスは候補者が4人もいて国を代表する国際支部長が決定されていないと聞いたが、このウインザ―城が近くにあるウインザー地区ではアナスが指導に当たっているとのこと。今回のセミナー等の開催にあたり近隣諸国であるフランス、スペイン、ポーランド、イタリア、塾長の前回のイタリアセミナーで加盟したスロバキア、昨年のセミナーで自分も訪れたリトアニアからも参加者があり国際色豊か。

まずは、基本技、移動、受け身、投げ、関節技の順に、東塾長の丁寧な指導のもと、我々がその補佐的指導を行った。はっきり言って、参加者一同身体はでかいが、技の的確さがないこと、大変雑であると感じた。確かに、ひとりひとり体力があるため力はあるが、いまひとつ動きに正確性がない、もっと基本を重視すべきだろう。基本技ができれば、もっとヒットアンドウェイにつながり、強さに繋がること間違いない。しかし、指導する上でウーンとうなずく点が多々あった。セミナー修了後、引き続き昇段審査が行われたが、受験者の組手をする相手が不足し、少々時間を取られたがまずは、無事に終了。しかし、実力的に明らかに技量が不足している外人が、塾長に対して、平気な顔で弐段、参段を要求するコメントがあったことに、少々自分としては驚いた。空道(武道)に対して、外国の生徒は、すごく憧憬や理想を追求する考えを持っていることはわかるが、いまの力量で軽々しくしかも塾長に対して、簡単に許可してもうおうなどとは、少々筋違いではないか、大道塾、そんなに甘いもんじゃないぞと思った。

そして、引き続きヨーロッパ地区の交流試合戦が同会場で開催された。セミナー、審査会の進行要領が悪いせいか、時間がだいぶ押している気がする。これじゃ、夜中までかかるなと若干開き直ったが、審判員が我々日本チームしかいない・・・・となって、急遽、3審判制で実施することになった。おまけに、青と白を区別する紐なり道着の区分けもされていないため、審判のジャッジも少々戸惑い有り・・・いやはや、外国遠征、またしてもなにが起こるかわからない。そんななか、今回特別に大会に出場することとなった、我らがホープ中村知大選手は、1・2回戦相手に突き、蹴りの攻防から寝技に持ち込み、関節技に持ち込み一本勝ちを修めた。クラス別に開催された本大会は、決勝戦、リトアニアの選手との試合となったが、中村選手は落ち着いた試合運びを続け、延長戦にもつれ込んだが、効果ポイントを相手から確実に奪い、見事優勝を勝ち取った。現在まで、大会に出場してきたが、今回の大会が初の優勝であること。また、現在1級、審査を兼ねての受験と聞き、文句なしの黒帯合格、二重の喜びとなった。

昨年、リトアニアの海外遠征に参加した支部のイルガラス支部長、トーマス指導員の参加も見られたが、同支部選手は、基本技ができており、加えてパワーもあるため、あなどれない。今回、同国のイグナス選手の参加がみられず、残念だったけど、来年の世界大会出場に勝ちに行く意欲をみせつけるような素振りがトーマスの会話から伺えた。重量級の選手では、重いローキックによるKOシーンもあった。大会途中に、会場内の火災報知器が作動するハプニングがあって、全員が屋外に待避しなければならない状況にみまわれ、こりゃ・・・この大会いつ終わるのかとヒヤヒヤした場面の一幕もあった。一般部の大会が終わり、最後に、イギリス支部少年部によるワンマッチ戦が15試合ほど開催されたが、これには正直参った。というのは、全く試合前の礼法が殆どできていない。我々審判団全員で指導するが、言葉も通じない・・・?のもあってか、まごつく状態があった。試合が終わって、現地の指導員に、しっかり礼儀を教えろヨ、これじゃだめだよときつく指導したが、審判する側として、本当に疲れた試合運びとなった。武道の根底にある最も大事なことが、礼儀、あいさつ、いうまでもない。これは、国内の道場生でも共通に認識すべき大切なこと。各道場の指導すべき我々が模範となり、厳しく指導していかなければならない重要事項である。この点、特に、若い世代に、今後しっかりしていくべきことと認識した。(重要課題)。

なんや、かんや有りのセミナー、大会の開催、なんとか無事終了した。最後は、しめくくり場所を変えての懇親会(打ち上げ)開催です。押忍、押忍・・と人種、性別に関係なく、空道を通じた交流の場として、会話なり談義が飛び交った。自分は、うろ覚えの英会話、やっぱりうまくなりたい、正直思った。いや、覚えますと、神山、品野の両名と酒をのみながら・・・次回は・・是非、(笑)。

しかし、各国、こうして訪問して思うことは、どこにでも共通に、変わり者?・・特徴のある人間が多数いること。実に、おもしろいと参加者一同・・・笑いが絶えない。従来参加したセミナーと一風違った面持ちもあったが、これも1つの体験、大変勉強になりました。押忍、お疲れ様でした。

イギリス、最終日、この日、東塾長、事務局の由美ちゃんのアテンドで、市内観光になりました。(感謝)まずは、ボートのような形をしたバス?に乗車、市内観光・・・・。この日の気温は15度から17度位でしょうか。盛岡の気候からすれば、4月上旬でだろうか、風があり肌寒い。このバス窓があってないようなもの。(必要に応じて、ビニールのフードを降ろして窓がわり)バスのガイドは、若い男性だけど、半袖で寒くないのか、淡々と市内の街並み、それに付随する説明を少々早口の英語バージョン・・・・さっぱりわからん・・・数人。自分は、シャツ一枚にセーターを羽織ったが、正直寒いのなんの・・・1時間ばかり市内あちこち探索を続け、路地を下におりて、河面に到着した。なんだろうかと思うと、先ほどの窓のフードを降ろし、いかにも水よけ体制になった。このバス、河面にむかって突き進み、ザブーンと水に入った。007のジエームズ・ボンドの登場シーンに流れる曲が流れ、いかにも映画のワンシーン、このバスが船に早変わり、実に、おもしろい演出であった。その後、ビートルズで有名なアービーロード、シャーロック・ホームズ博物館、地下鉄に乗りボンドストリートを通過、由美ちゃんが以前イギリスに住んでいたこともあって、あちこち有意義な観光をすることができました。そして、夜には、湖畔に浮かぶ多くのボートが立ち並ぶガストロパブに案内され、ビールにワインをごちそうになり、昔の思い出話や様々なエピソード談義に、花を咲かせるなど、なごやかな雰囲気で談笑しました。

ビートルズで有名なアービーロード(本当は、ここで撮影するのは、禁止・・・)

こうして、海外セミナーは、無事、滞りなく全行程終了することができました。短い期間ではありましたが、大変刺激を受けたと共に、プラス大変勉強になりました。いつでも勉強だなと思うと同時に、同行した支部長たちともあれや、これや情報、意見交換できたことは大きな収穫であります。東塾長自らが、突き、蹴りのコンビネーション、そして投げ、グランドと多彩な技を魅せつけ披露できたことは、海外に在住する空道の道を志す異国の大道塾生に、理にかなった教えを認識させて、大道塾の姿勢や考え方を正しく確信につなげていくことができたことだろう。このなかに、将来日本人選手を脅かすような選手が育ち、世界大会やワールドカップに出場できる支部として今後の活躍に益々期待したい。

海外に赴き、いつも感じることは、世界には、さまざまな政治や文化、伝統、諸事情等によって合理的に物事がうまくいかないこと、援助が受けらず困惑するような出来事もあるよう見られる。我々日本人は、まだまだ豊かな国であることは否めない。しかし、この空道(武道)を通じ、イギリスの空道に従事方々と1つになれたことは、大変光栄であり同じ仲間ができたこと喜びを隠せない。イギリス支部生のアナス。まだ、40歳であると聞いたが、アバウトな男だよ。と事前に聞いていたが、懇親会が終わり、会計時レジのおばさんに支払いをねぎっていた様子は、本当に大笑いもしたが、反対に愛着も感じた。いつか再会した際は、また喜びでいっぱいになるだろうし、よき後輩(仲間)ができたものと思う。

この度の本セミナー遠征に、同行参加させていただき東塾長、由美ちゃんには、大変お世話になり深く感謝申し上げます。歴史的な建物が立ち並び、稽古が終わったあとのビールは格別でした。最終日、おいしい料理を食べて、さわやかな風を受けながらテムズ川のほとりを歩き、絵はがきになるような風景をバックに、沢山の写真を撮影しました。こうした機会を得られたことも、大道塾に入門し、東先生に今日までついてきたお陰であると共に、人生の思い出づくりになりました。

旅行期間中、神山信彦、品野圭司、佐藤繁樹、中村知大の各氏にもお礼を申し上げたい。これを機に、益々大道塾の空道を通じ、共に共感し稽古に邁進していきたい。魅力たっぷりの海外遠征、本当に東塾長、大変おつかれさまでした。感謝の気持ちでいっぱいです。大道塾で学んだことを、今後の人生に大きく役立てていけるよう、これからもご指等、ご鞭撻をお願い申し上げお礼とさせていただきます。  押忍

狐崎一彦(盛岡支部)

更新日2013.6.17

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