topアルメニアひとり旅(仮題)

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8月6日

12:00出発がアエロフロート得意の(笑)“DELAY(遅延)”で13:00出発。お陰で待ち時間6時間が5時間にはなったが・・・。「第一回ヨーロッパ大会」の件でもう少し詰めたい所もあるので、アナシュキンとゾーリンを呼ぼうかとも思ったが、逆に、今更又、新しい要素が加わるとそれはそれで大変だしなー、と一人空港で過ごす。前回のポーランドの時のように、レストランで格好をつけて「颯爽と無線ラン!」を試すが、繋がらない(ダサ)。

しかしお陰で読みかけの「反転(闇社会の守護神と呼ばれて)」を読了出来た。これは412ページという分厚い本で、ヤメ検(元検事)の田中森一(たかなもりかず)元特捜検事で現弁護士の自伝/半生記だ。新聞広告は見ていたが、読みたいと色んな本を買いはするのだが、忙しさで読んでいる暇などなくて“積(つん)読”になって行く一方のこの頃、とてもそんな大分なものを読んでいる時間はないと諦めていた。
しかし、東北合宿で、平塚評議委員長から「話題になった事件の内幕や、政治家や経済事件の役者が実名で書かれてあるからほんとにオモッセゾー!」と進められた。それでも「買っても読めない」し、読めないが「良い本だなー」と思うと悔しくなるから、この頃はなるべく本屋には立ち寄らないようにしていたのだが、先日、幸か不幸か、飯を食いに行って気が緩んだ所(笑)、偶々隣が本屋だったのでつい手にしてみたのだが、案の定、「一読、巻を措く能(あた)はず」という感じで、すぐレジに向かってしまった。

氏は長崎の貧乏漁師の境遇から脱出するために苦学をして大学に入り、弁護士になり様々な事件を解決し「敏腕検事」と賞賛されるも、上司と合わずに辞めて弁護士となる。その後、恐ろしいまでの報酬や謝礼、心付けなどを得て大金持ちになり、なんと節税対策で7億円のヘリ!を買ったり、錦を飾りたい一心で、“住む人もいないのに”故郷に豪邸を建てたりする!弁護士がこんなに儲かると知っていたなら、蟷螂の斧でも一度は挑戦して見れば良かった 笑)
正義感から厳しく社会悪を追求した検事時代とは逆な立場(民間側)で弱い者の味方として、色んな事件を解決したりする所までは良いが、それ以上に、真逆な立場の人間(ヤクザからバブル成金、詐欺師、山師、仕手筋など等)との交流が生まれ、巻き込まれて行ったりし、遂に「石橋産業手形詐欺事件※」で逮捕され最高裁に上告するまでを半生記風に綴ったものだ。
※当時インターネットなどという便利なもの(?)もなかったから、詳しい内容までは知らなかったが、この業界にいたお陰で(笑)、事件の“役者”の名前は知っていた。

境遇が重なる所や、社会正義に燃えてドンドン事件を解決する所は、「そうだそうだ!やれやれ!」とワクワクして読める。逆に、普通の家庭環境で育った者にでもある、“怖いもの見たさ”だけではない、上記のアウトローの多くがそうであるように、悲惨な少年期を過ごした者同士の共感から生まれる、変な一体感から、深みに嵌って行く所などは、「俺はガキの頃に一度麻疹(不良寸前)に罹っているから、仕事柄(笑)今までもその筋からは何度もお座敷が掛かったりしたが、お膳には座らないで来られたんだな(ここまでは突っ込まなかったんだ)」と妙に納得したり(笑)しながら読んだ。
又、私自身(なぜか急に“わたし”になるが)、大学ではバイトと空手に明け暮れて、碌に勉強しなかったこともあり、経済のことはかなり疎く、「どっかでキチンと勉強しておかないとな」と思いながらも、日常に追いまくられ出来ずにいるのだが、かといって、正面切ってその種の本を読み出せば数ページで「別な仕事がしたくなる(笑)」だろう。(実際仕事は何ぼでも、それこそ仙台弁でいえば「山の位」ある)
しかし、この本のように面白いストーリー(?)の中で、日頃漠然と読み飛ばしている経済用語が出てくると、面倒でもそこを理解しないことには前に進めないので、自然に勉強になる。ましてや「山口組内の抗争で殺されたナンバー2、若頭、宅見勝組長なども経済に明るかった」などと読むと、「あの方達(?)でさえ知っている事を俺が知らないので・・」とか果ては「ヤ○○に負ける訳には行かない!」等と変な向上心に火が点くので(爆)良い勉強になる。もう2,3回読んでマスターしなければ(笑)

拡張工事中のシェレメチヴォ空港
拡張工事中のシェレメチヴォ空港

18:45 シェレメチヴォ空港に着くが、大ロシアにしてはお粗末だったこの空港も、拡幅工事で第2ターミナルにでもなるのだろう、かなり広くなっている。
22:35 ARMENIA(アルメニア)の首都YEREBAN(エレバン)へ向かう。
ARMENIA(アルメニア)と聞くと地理が好きな人以外、殆どの人は「どこにそんな国があるんだ?」となるだろうが、学校では「ロシアのコーカサス地方とかカフカス地方」として、また、レオ・トルストイ(LEO TOLSTOY)の青少年文学の名作「A PRISONER IN THE CAUCASUS コーカスの捕慮」という小説の、と言えば、「ああー、あそこのことか!」と思い出すのではないか?それでも思い出さない人には?・・・・「知らん!」
この国は非常に歴史が古く、何せ旧約聖書の「ノアの箱舟」伝説の“アララト山”があるくらいだ!それがイスラム教とキリスト教、東洋と西洋といった、異文化や異文明が交わる文明の「十字路 CROSS ROAD」といわれる地政学上の位置から、その後次々と征服される歴史を繰り返すが、1989年のペレストロイカで独立して国を建てたものだ。

これまた面白いといえば語弊があるが、隣のAZERBAIJAN(アゼルバイジャン)には2000年から支部がある。そこで例によって「今度セミナーをするから来ないか?」と誘った所、「塾長に会えるなら何としても行きたいのだが、残念ながら今我が国とARMENIA(アルメニア)は戦争していますので行けません」と返事が来た(!)日頃、イランだけでなく、世界のそっちこっちで戦争が増えているのを危惧しているが、それは新聞の中だけのことで、こんな風に自分の人生/日常と関わってくることはまずない。
さらにこの話をARMENIA(アルメニア)の連中にしたなら、「私達は同じ空道をする者として、更に、大道塾の一員として、来て貰っても構いませんし歓迎しますが、向こうの方が同国人からどう思われるか?大変でしょう」となった。我々日本人は戦後62年間も戦争を経験しておらず、平和が当たり前で「平和」という言葉は日本人にとって、「空気みたいに当たり前のこと」だが、世界はそうではないんだな」と実感したものだ。

そう思うと、以前にも「チョッと待った“武士道精神”」(塾長コラム07)というエッセイの中で、触れたことがあるが、自分の頭の上のハエも追えない(隣国に勝手に領土を占有されたり、国の上をミサイルが飛んでも誰も騒がないというような)、不甲斐なさや、アメリカの傘の下にいる限り最後はアメリカの言いなりにならざるを得ないという“ポチ状態”の情けなさから、土下座してでも生きていれば良いのか?という気もする一方、他人に自分の人生を左右されることのない、逆に言うと、自分で死なない限り、又、成功するか失敗するかは別にして(その人間の運命とでも言うしかない)、少なくとも「みんなが自分の人生を自分の意志で切り開ける」という事を眼目にした今の憲法というのも、一概に卑下すべきではないのかな?という気もする。チョッとだが。
しかし更にしつこく(笑)考えると、人が他人や運命から影響や障害を受けることなしに、全く自由に自律的に生きられる、などという考え自体、人生/人世を舐めた「お前は何様なんだ?」「お前はそんに特別に生まれついたのか?」とでも言いたくなる、傲慢というか、ナイーブな(世間知らずな、幼稚な、という意味で)想い/夢想ではないのか?という気もする。

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