東孝の格闘空手 空手リアルアーツシリーズ ⑭ VOL1

この連載は『月刊空手道』(福昌堂発行)1985年11月号に収録されたものです。肩書は掲載当時のものです

  • 解説・指導/大道塾代表・東孝
  • 協力/賀上賢一・渡部行彦

第七章  トリック攻撃

先月号では蹴りで仕掛けるトリック攻撃を紹介したが、今回はパンチで仕掛けるトリックを考えてみる。

トリック攻撃では一般的に右の蹴り、右のパンチといったように、右での仕掛けが多い。それは、

①前方に位置する左のパンチ、蹴りを出す場合は動作が小さい。

②連打は左から入る攻撃が多く、普段かそれ等に対する受けや反撃などの稽古をしているので、左からの攻撃に対する対処はある程度できているため、第一撃目がトリックによって途中で終って第二撃に入ったとしても、それはほぼ予想!!できることであるため案外容易にブロックされてしまう。

以上のような理由によるのである。それに対して右からの連繋というのは後方から来るため、当然動作が大きくなるし、また右からの第一撃自体が一種奇襲戦法的である(右からの連繋は一般的でないため)ので、トリック攻撃が比較的容易になるということである。

 左からトリックする場合は例えば、先月の格闘コンビネーション37でも紹介したように、トリックにするべき技を事前に二、三回完全に出して相手に先入感を与えておき(試合や実戦の場合では、視覚が大きく作用するので、目で見た動作は先入感になり易い)、その後トリックにして、第二撃目に繋ぐといった手のこんだ使い方が必要となってくる。