アンケート回答(選手・コーチ) 

以下の文章はワールドカップ遠征参加者を対象に行われたアンケートの回答から転載したものです。
【アンケート項目】
1)今大会の感想
2)日本の選手と勝ったロシアやウクライナの選手は何が違うのか?
3)今後、日本が勝つ為にはどうすればいいか?

1)今大会の感想
加藤清尚

大会は進行が良くなく他国の選手にとって不親切な大会となったが、それもロシアがロシアの為に開いた大会だから仕方無い。世界から40ケ国からの国々を招待し国際大会を開催できる組織的体力を有しているロシアの強さを見せつけられた大会となった。

飯村

代表選手の俊輔が急病でドクターストップのため、試合6日前にまかさのコーチから選手に代わるというマンガのような展開でした。 試合自体は約5年ぶりで、しかもムエタイ!北斗旗は7年前に優勝したのが最期です。
試合に出てた頃は競技スポーツとして練習に取り組んでましたが今回は練習も調整もなく(いつ、いかなる時でも戦えるのが武道家!)と考えを切り替え大会に臨みました。
結果は4試合してベスト4、対戦相手は皆、自分より重いし、良い動きもできず精神状態もきつかったですが試合が終わって今は開放感に溢れてます。
大会はエンターテイメントとしては成功したのかもしれませんが選手から見た中身は雑で穴だらけ、進行も悪いし日本の大会の素晴らしさを改めて感じました。

堀越

大会の大きさやお金のかけかたはさすがロシアだなと思いました。でも進行の悪さがすごく目立った気がします。・表彰式が2階級終わった時にするのは観客も見ていますし、選手もうれしいと思いました。

稲田

計量では何時間も待たされたり、今何試合目でいつ出番なのかわかりにくかったり日本ではない状況がたくさんあったりしましたが、大会自体は華やかですばらしいモノであったと思います。

平安

ロシアはスポンサー集めるにしても大会にしても素晴らしいの一言です。選手もお金がもらえて名誉も手に入る為それらを手に入れる為必死だったように感じました。このような大会が継続的に将来も続いていくのなら息子にやらせたいと感じました。

加藤久輝

大会自体はスポンサーのお蔭で立派でした。五輪の体育館に8000人の観客、準決勝からTVの生放送というビッグイベントでした。こういう舞台で戦えると選手として盛り上がります。

このページのトップへ

2)日本の選手と勝ったロシアやウクライナの選手は何が違うのか?
加藤清尚

気迫、体力、モチベーション、練習量、全てにおいて日本勢を上回っていました。選手層の厚さも日本を上回っていよう。

飯村

技術はたいしたことないですがフィジカルとハングリー精神が違うと思います。ただでさえ同体重でフィジカルが上を行かれてるのに身長が日本選手より低く体重が重いロシア人に3分一本勝負では勝ちづらいと思います。
練習も期分けして準備期や試合期に応じた練習をしているのでしょう。日本選手とは大会に取り組む姿勢もバックアップ体制も違うので日本が今のままでは勝てないのは仕方ないと思います。

堀越

1つはロシアはこれだけ練習してきたのだからという強い気持ちが今回の大会にも出ていたと思います。ウクライナはどのような練習をしているかわからないですがネットで動きを見るとやはり日本より人数も多く選手として練習をしてる人がすごく多いように感じました。

稲田

ロシア、ウクライナの選手だけでなく、一・二回戦で戦った他の国の選手も身体の強さ、勢い、若さを感じました。自分が負けたウクライナの選手もトータルでしっかり練習していると思いました。ロシアの選手はやっぱり身体の基本性能が高いと感じました。

平安

自分の感想はやはり人種の差は感じました。今回賞金も出るとの事でジム通い、ガソリン代等も家族(嫁)に認められ十二分に練習することが出来た為、周りが言うほど日本人とロシア人の差は感じませんでした。一番は練習の環境ではないでしょうか

加藤久輝

それは環境です。(練習量と練習人数)

ロシア人とウクライナ人は他の国より特別な体力や精神力を持っているのではなく、仕事は余り(選手によって全く)しないで生活が出来て練習に集中することが出来ます。また練習で頑張って大会で良い結果を残せば良い職が与えられるので若者がその魅力を感じ、どんどん入門します。大人数の現役選手が集まって練習すると当然ライバル意識が高まり、自分をもっと追い込まなければならなくなり、スパーリングの数が増えます。要するに好循環が出来ています。

このページのトップへ

3)今後、日本が勝つ為にはどうすればいいか?
加藤清尚

正直な話現状では日本がロシアに勝つのは無理でしょう。これから先も。だからむしろ日本はNO.2を死守すべき。もちろん差を縮める努力はすべきですが選手の育成するシステム、稽古体系の見直し、少年部、ユースの大会を充実させて、5年後10年先を見すえた長期的な育成を考えなければならないかと思います。

飯村

身体指数制度をなくし体重制にすればこの問題は早期に解決するでしょうが身体指数制度のまま、今いる選手、もしくは選手候補を勝たせるためには3〜5年ぐらいの期間が必要かと思われます。

自分の考えはこうです。230未満の選手に例えると160cm前半の選手は普段の体重を3年かけてフィジカルトレーニングで75kgぐらいに上げて、その体重に馴れておく。
試合期に入ったら計量日10日ぐらい前から体重を落として行き計量日3日前からいっきに4〜5kg落とし計量日当日にリミットに。試合当日は5〜8kg戻るのでロシア選手相手でもフィジカル面での優劣はさほど差がないはず。

240未満の選手でも同じで身長は低いほうが有利なので160cm台がいいでしょう。日本人で世界と戦える総合格闘家はフィジカル面で海外の選手との差はそれほどなく減量の仕方もこういった感じでやっています。

技術的には日本選手も下手なのでしっかりとした技術を身につける事、身につけた技術が出せるようにキャリアを積む事も大事です。キャリアを積むために大道塾以外のアマチュア大会、プロの興行でも問題がなければどんどん出て良いと思います。(吉祥寺支部ではキックで末廣が日本のトップクラスの一人に成長しているし俊輔も総合格闘技で経験を積んでます)
もちろん練習は毎日なので空道のプロフェッショナルという意識が必要ですが果たして現行の選手でそれほどの情熱を持っている選手がいるのか!?ですが。

堀越

打ち合いになった時に簡単に倒れないように打たれ強さをつける事と山崎先輩や森先輩、小川先輩など技術の向上をしていけば日本はまた勝てると思います。

稲田;

日本が勝つためには、練習量を増やし、その中から、優秀な人材を発掘し、たくさん外国人と戦う機会をつくり、自分が日本を背負って戦っており自分が日本を背負っているんだという選手を作る(まずは道場生を増やす)。

平安

練習環境と思います。寮生、選手へのケア(お金・待遇)の問題ではないでしょうか?

加藤久輝

日本が勝つというのは日本代表選手が優勝するということです。
日本代表選手は仕事をしながらという制限がありますので練習量は増やせないです。そうなると練習の効率を上げるしかないので、先ずは時間のムダを無く必要があります。(休憩時間はタイマーで計り、少しずつ短縮していくことや練習の各綱目の時間の振り分けをその選手のニーズに合わせて決めたり等など。

このページのトップへ

本サイトに掲載の記事・写真等の無断転載を禁止します。
Copyright(C) KUDO ALL JAPAN FEDERETION DAIDOJUKU. all rights reserved.
このページを閉じる