ウクライナ遠征についてアレクセイ・コノネンコ(東北本部)

4月22日から27日の間に田中俊輔と、今回は事務局長の代理で塾長の娘さんの由美チャンと3人でウクライナに遠征に同行させていただきました。ウクライナは私の父が生まれた、私の元々の故郷で、小学生のころに何年かウクライナで生活していたし、今でも親戚が沢山残っています。しかし、そのときは同じ国ソ連の中であったが、今は独立し、ロシアで生まれた私にとっても外国となりました。

ウクライナは、土が豊で何でも育つと昔から言われて、農業はとても盛んで食べ物がとても美味しい。元々とても豊かな土地ですが、独立した後の政治混乱で社会的、経済的、外交的で揺れていてその行き先はまだ見えない状態です。

世界大会の時にサモーヒン支部長と何回かお話したことあって、とてもスマートな人だと印象を受けて、10数年ぶりのウクライナとサモーヒン支部長と会うのは楽しみにしていました。

長いフライトを終えて到着したキエフのボリスポリ空港。空港の駐車場で住民の平均月収300ドルだと思えないヨーロッパ車の車並び。出迎えてきてくれたのはサモーヒン支部長とキエフの後援者で塾生でもある弁護士のサーシャさん。車はもちろんレクサスとベンツでした。空港から直接にホテルに行って、泊まるホテルは5つ星のハイヤットホテルでした。5つ星ですから、あらゆるものが揃ってあり、同じ部屋にとまった俊輔と豪華なチエアーにくつろいで、先ずウェルカムフルーツを食べながらヨーロッパのビールで乾杯!

その日は翌日のセミナーの打ち合わせなどで、特に予定なかったので、結局、これは唯一のゆっくりできる時間でした。夜はウクライナ料理のレストランで歓迎会。ウクライナはロシアより少し南にあるため野菜や果物より多くとれるのでウクライナ料理はロシア料理より豊富です。ウオッカにもいろんな味付けしているので、ウオッカの種類は豊富です。何でも美味しく、一気に軽重量級から超重量級に階級アップ。

次の日に、先ずキエフのセミナー会場へ。今回の会場はウクライナ軍、指令本部直轄のスポーツクラブでした。サモーヒン支部長はとても戦略的な運営をしているため、最初に小さい町ルガンスクから初めて今はウクライナの27州の内に22州で支部があり、あらゆる機会を利用し空道のアピールをしています。今回も軍のスポーツクラブを会場として利用するのは軍を始めとして注目を集めるためでした。セミナー参加者は150人ぐらい、少年部から40、50代の大人まで、皆は目キラキラで東先生を神様のように見ていました。

キエフセミナー
キエフセミナー
キエフセミナー

セミナーの後に写真撮影とサイン会で気分はスター。あまりにも「サインください!」多かったのでサモーヒン支部長はストップをかけて、私たちはパパラチーから逃げるように更衣室へ。お昼はキエフの後援者のサーシャさんのおごりで中華料理で食べることになりました。食べた後に空港へ向かって、次のセミナーの会場であるマリウーポリに飛行機で移動しました。会場選びも、サモーヒン支部長の狙いで、キエフは中央部の人たちにとって集まりやすい、マリウーポリはウクライナの南部とウクライナの隣国であるモルドヴァ、ロシアの南部の人たちにとって行きやすいので設定されました。

キエフセミナー参加者
キエフセミナー参加者

マリウーポリで泊まったホテルは迷うぐらい広い部屋で、アゾーフ海に面して、すこしリゾートっぽいホテルでした。次の朝から2回目のセミナーの会場へ行きました。マリウーポリの会場はその町で最も大きな企業が所有している体育館でした。マリウーポリの支部もその体育館で道場をかまえて、セミナーは室内サッカー場のグラウンドで行われた。人口芝生は意外と柔らかく気持ちいいので投げでも、グラウンドでも全く問題ないと思いました。参加人数はキエフを超えて、だいたい200人以上でした。午前中セミナーをやって、午後同じ体育館にあるボクシングのジムに移動して支部長・責任者の昇段審査を行いました。受けたのは24名ですが、昇段したのは16名だけでした。空道の黒帯は厳しいですが、だからこそその高水準は世界中に知られているのだと再認識しました。

マウナーポリセミナー
マウナーポリセミナー

夜はウクライナ料理で打ち上げ。この打ち上げにサモーヒン支部長らはザポロージエ地域から2人のコザックを招待しました。コザックは民間軍事組織(いわゆる、傭兵)でウクライナのコザックはウクライナとロシアの歴史で重要な跡を刻んだ。コザックは優れた武術を持っていたので当時のロシア、ポランド、トルコで大事な軍事力として見られた。東先生はウクライナの塾生から重さ8キロもある、ウクライナ語で書かれている「コザック歴史」をいただいていますが、これは国賓級の人にプレゼントする贈り物だそうで、塾長はご満悦でした。打ち上げに来たコザックはパフォーマンスの後に東先生をコザックイニシエーション儀式に参加させました。度胸試しの後に(ムチで頭から帽子をはじく)、コザックの剣の上にウオッカをおいて手を着かずに一気に飲ませた。先生は見事に試練をクリアーしてコザックとして認められ認定証までいただきました。先生はあまりのうれしさで会場の皆に基本をやらせて、技毎にウオッカで乾杯!それまでは塾生も少し緊張気味で、大人しかった会場も、これで一気に盛り上がり最後まで生き残った勇者たちは幸せで大満足そうでした!

打ち上げに来たコザックはパフォーマンスの後に
東先生をコザックイニシエーション儀式に参加させました。
打ち上げに来たコザックはパフォーマンスの後に東先生をコザックイニシエーション儀式に参加させました。

次の朝、重い頭を枕からなかなか離れなかった。しかし、もう帰る日です。ここまで全てはスムーズに展開していましたが、トラブル(?)のない旅は旅ではないので最後に遠征らしい遠征になりました。ホテルから出て100キロの離れた空港に着いてチエックインしようとした時に、由美チャンは塾長のお世話で大変だったのか(?)チケットを使用済みと間違えてホテルで捨てたのに気付き大慌てでした。幸い、国内線なので新しいチケットを購入して無事に飛行機に乗れましたが、これが国際線だったなら…。キエフに着いて次のパリ行きの飛行機までかなり待ち時間が長く、キエフの後援者のサーシャさんはお兄さんのルスランと2人で私たちを近くのウクライナ料理につれてきました。とてもステキな場所で、料理は100点満点、ヴォッかは100点満点。空港に戻ったときに皆はかなり盛り上がっていました。詳細は省略しますが、いろいろがあって(※ 続編乞う期待)搭乗拒否されそうになったが、なんとかパリにたどり着くことが成功しました。その時にとても驚いたのは、空港で全く関係ない、たまたま近くにいたウクライナの人に「空道知ってるか?」と聞くと「もちろん、知らない人はいないでしょう」という返事がきました。「空道」に万歳!ウクライナで買い物全くできなかった分でパリの空港でお土産のチョコレートをいっぱい買って無事に日本に戻りました。

今回の遠征はとても短くとてもインテンシブでしたが、とても充実した内容で、改めて「空道」の力を実感することができました。ウクライナの生徒たちのレベルはまだそんなに高くないですが、目の輝きから伝わる知識への意欲は、残念ながら最近の日本の塾生からは感じる事の出来ないものでした。サモーヒン支部長の確実な発展を保証する戦略的なやりかたと生徒たちのやる気は間違いなくすばらしい結果を生み出す。貴重な経験をさせてくれた東先生、サモーヒン支部長に心から感謝申し上げます。同行してくれた俊輔と由美チャンお疲れさまでした。また機会があったら遠征に参加させていただければと思います。

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