2002北斗旗全国体力別選手権大会
世界大会後初めての体力別選手権大会ということで、世界大会で活躍した主力選手達の出場は少なかった。しかし、重量級世界チャンピオンの藤松や、世界大会中量級3位の佐野、稲田など実力者とともに、各地区大会で勝ち上がってきた新人達が北斗の頂点を目指し激しい戦いを繰り広げた。
また、今大会には今や北斗の伝説の男と呼ばれるあの長田賢一が出場した。伝説となった男と現在の北斗の戦士達はどのような戦いを繰り広げたのだろうか。


各階級トーナメント表

軽量級 中量級 軽重量級 重量級 超重量級


長田賢一 激闘編


軽量級
決勝は伊賀vs寺西

軽量級の決勝は強打で有名な2000年軽量級王者の寺西と、関西本部の伊賀。伊賀は関西本部で世界チャンピオンの小川から指導を受けている。激戦が期待されたが、勝負は案外早くついた。少し打撃を交錯させた後、伊賀が寺西を鮮やかな首投げで投げきり、すかさず「極め」。これで、効果1をとる。そこから袈裟固めに移行しグランドの勝負にはいると思われたが、次の瞬間にはあっさり寺西選手はタップしてしまった。見ている側からは何が起こったか分からなかったが、実は、グランドに移行した瞬間に襟をとり、その襟で首を巻くようにして締める小川式の絞め技を極めていたのだった。

決勝の模様
伊賀の伸びるストレート 寺西も膝蹴りを決める 延長で伊賀の投げがあざやかに決まる そこから、すかさずパンチで極めをとり
襟で首を巻いて絞める、小川式の締めで一本勝ち 勝った後、セコンドの小川に礼をする伊賀


中量級
決勝は後藤vs吉岡

ストレート系のパンチと投げを得意とする堅実な組み手の後藤、かたや時折両手をブランと下げてノーガードの構えになる吉岡。
後藤はワンツーパンチで下がらせておいてローキックを確実に当てていく、この戦法がはまりローキックが当たり始める。延長にはいると動きの良かった吉岡の動きが鈍ってくる。ローキックが聞き始めた様子だ。この頃から後藤のパンチが的確に当たり始める。しかし、吉岡は打たれながらもアグレッシブに前に出続け、延長戦の後半には掴んでからの打撃の攻防で後藤を追い込む。延長戦も判定は引き分け。再延長に入る。後藤の巴投げが決まりグランドに入るも決め手に欠ける。中盤に顔面を集中的にパンチをまとめて打ち込むとたまらず吉岡も効いた様子だ、これで効果を奪う。吉岡も最後まであきらめずに攻め込むも、勝負は効果ポイントをとった後藤にあがった。

決勝の模様
ストレート系が武器の後藤 投げの得意な後藤が背負い落としで投げる 吉岡も負けずに打撃で攻め込む パンチをよける後藤
ローキックが効いてきた 巴投げが決まる パンチの連打が効いて


軽重量級
決勝は若月VS伊予田

グランドの伊予田とパワーの若月の対決だ。パワーで強引に前に出る若月。グランドになってもテクニックで上を行くと思われた伊予田を軽々と返していく。スタンドでもパンチと蹴りで一進一退の戦いが続き延長に突入。
延長に入っても両者は激しい打撃戦を繰り広げた。が、組み合って倒れた瞬間に気のゆるみが出たのか、伊予田のディフェンスが甘くなった、そこを突いて若月がマウントからのパンチの連打で効果を奪った。確実にポイントを奪った若月の初優勝だ!

決勝の模様
積極的に攻める伊予田 グランドの得意な伊予田を若月は簡単にひっくり返す 若月のパンチが入った 前に出ながらローキックで攻める
マウントパンチで効果ポイントを奪う


重量級
決勝は清水VS石田

石田は独特な大きく振り回す左右のフックで攻め込む。器用ではないが重たい打撃を身上とする清水もパンチと頭突きでこれを迎え撃つ。ビクトル投げから膝十字、アキレス腱固めと攻め込むも場外に出てしまいギブアップは奪えない。しかし、この攻撃で石田は足を痛めてしまう。その後も清水の攻撃はとまらない。上段蹴りをヒットさせたりローキックを効かせたり攻め込むも、延長に入る。延長が始まってすぐに、組み合って倒れたところを清水がアキレス腱固めを決めると石田はたまらすにギブアップ。清水の一本勝ちだ!

決勝の模様
石田はアグレッシブなパンチで前に出る ビクトル投げからグランドを狙う清水 続けて膝十字からアキレス腱固めを決めた清水は石田をギブアップ寸前まで追いつめた 本戦終盤にはハイキックで石田を追い込んだ
清水は延長戦に入ってすぐにアキレス腱固めで一本勝ち。


超重量級
決勝は藤松vs稲田

動きのいい藤松はローキックやパンチを確実に当てに行くが、相手の反撃は上半身を動かしまったく当てさせない。組み合っても相手を倒し動きを制してニーインザベリーからパンチの極めでポイントを奪う。この後、藤松はあらゆる格闘技で今まで見たこともない技を披露する。組み合って倒れ稲田が下からガードポジションをとるなり、藤松はそのまま抱えて持ち上げ、その状態で稲田の顔面に頭突きをぶち込んだ。これには見ていた観客も驚いたが、やられた稲田の方がさらに驚かされただろう。もし、マスクがなければどんなことになっただろうかと、考えるだけでも恐ろしいものだ。その後は時々相手の技を見すぎてしまったり、真っ直ぐ下がってしまう悪い癖も出たが、確実にパンチをヒットさせていった。延長戦に入り稲田の変則的な動きに惑わされず、稲田が前に出てきたところでカウンターの左フックをヒットさせ、稲田を倒し技ありを奪った。これを取り返そうと必死に前に出てくる稲田選手に対し藤松も最後まで攻撃の手をゆるめずに戦い続けた。結果は技ありを奪った藤松の勝利。世界大会の重量級優勝に引き続き、体力別の超重量級も優勝で飾った。

決勝の模様
決勝戦
藤松vs稲田
稲田は積極的に打撃を打って前に出る ガードポジションの相手を持ち上げてから、頭突きを叩きこんだ 藤松の伸びのあるストレート
当たれば一撃で倒せる後ろ回し蹴り 延長戦で藤松の左フックがついに稲田をとらえた。技あり!