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2016/10月《埼玉、東京、茨城、神奈川》ワンマッチ交流戦レポート

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浦和/北本/大宮西支部長
渡邉慎二

 10/30(日)、年三回恒例のワンマッチ交流戦が行われましたので、報告させていただきます。 今大会に集まっていただけたのは、11道場44名の選手で、全23試合が行われました。 いつものように、いくつか目立った試合につき、レポートします。
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《第5試合》佐々木 虎徹(吉祥寺)vs 織原 聖基(北本) U13ルール
・身長、体重、年齢、全てが上の相手に対して臆せずに鋭い蹴りで攻め込んだ佐々木だったが、試合終盤、首投げの反則取られたのが響いたか、痛恨の判定負け。逆に圧倒的なキャリア差(1級対7級)、技術差にもひるまず奮闘した織原の頑張りも目を引いた。

《第8試合》中川 明(早稲田)vs 中村 洋介(北本) 顔面打撃ルール2分1R
・20歳と42歳の対決。ワンマッチでは毎回のようにこのような試合が組まるが、年齢差関係なく「ガチ」で闘えるのは本当にこの「空道」という素晴らしい武道の魅力である。
試合は得意の右フックを幾度も当てた中村が「効果4」を奪い圧勝。
しかし中川も当初「まだ経験が浅いので顔なしルールを希望」と言っていたところ、「先般、今後の大道塾での『基本ルール』は顔面ありに変更されて、顔なしルールの試合は行われない」旨を知り、「それなら顔ありルールで」という経緯での参戦。技術的には(当然)まだまだだったが、ハートは見せたと思う。今後の成長を期待。

《第10試合》今村 豪樹(浦和)vs 青木 零也(日立) 格闘ルール2分本戦延長方式
・打でも組みでも圧倒した今村がパンチで有効を奪って優勢勝ち。
青木はまだ顔ありの間合いが分かっていない模様で、力強いローを繰り出すも、ことごとく返しのパンチを被弾した。しかし逆に言えば、心技体の内、心と体の部分はしっかりと見せたので、技=間合いさえ覚えれば若さもあり急成長を見せそう。

《第11試合》田中 大樹(吉祥寺)vs 門平 修造(浦和) 格闘ルール2分1R
門平が素早い動きからの切れの良いストレートで「効果」を先取し優勢に進めるも、ラスト一秒残しで田中の起死回生の後ろ回し蹴りがクリーンヒット。田中は大逆転の一本勝ちで歓声を浴びた。

《第13試合》小林 大悟(大宮西)vs 杉本 博文(御茶ノ水) 空道ルール2分2R
・杉本はまだ無級だが、防具空手の有段者で日拳、相撲の経験もありと空道ルールに挑むのに十分なキャリア実力の持ち主。一方の小林も大学時代日拳経験ありと、両者のスタイルがかみ合う好勝負に。
2Rを終わって「効果2」ずつ。どちらが勝ってもおかしくなかった互角の勝負は判定2−1で小林に凱歌が。
尚、余談ではあるが、この試合、倒れた状態からブレイクが掛かった際に、組み勝って上にいた小林が先に立ち上がった後、後から立ち上がる小林の手を引いてサポートするシーンが幾度も見られた。投げ技の練習の際には投げた側のマナーとしてやるべき行為、よく見られるシーンだが、試合の時には(当然だが)見たことがない。「(試合の時には)その必要がない行為」と言ってしまえばそれまでだが、「闘っている相手は『敵』ではない。ともに空道を学ぶ『仲間』であり『友人』である」という小林の気持ち、相手に対するリスペクトが自然とあの行為を呼んだのだろう。観ているものに感銘を与えるシーンであった。

《第17試合》高橋 忠仁(横浜北)vs 川上 順平(総本部) 空道ルール3分本戦延長方式
・身長で6cm上回る川上が長いリーチを活かした遠い間合いで闘い打撃戦では優位に立つ。しかし一瞬のスキを狙っていた高橋、相手の不用意に出したミドルキックをキャッチしてアキレス葬。見事な逆転一本勝ち。

《第20試合》堀江 裕一(横浜北)vs 斉藤 馨(草加) 空道ルール2分本戦延長方式
・複数回の北斗旗出場経験を持つ弐段と一般部での試合経験がない42歳5級の対戦。本来なら到底マッチメイクできる組み合わせではないのだが「過去のワンマッチで私は斉藤選手の試合を何度も見ていてその実力は知っているつもりです。絶対に良い試合になると期待しています」(主催者=渡邉浦和支部長談)という訳で実現したこの試合。
試合開始から臆せずに前に出て打ち合いを挑む斉藤。堀江のパンチに「効果」を奪われるも、本戦終了直前にニーインザベリーからの極め突きで「効果」を奪い返し、延長へ。
延長も先に「効果」を奪われたが、旺盛な闘志で前に出るのを止めない斉藤。惜しいクリーンヒットもあったが「効果」を取り返すまでには至らず。堀江の優勢勝ちで決着。

《第21試合》水戸部 隆弘(吉祥寺)vs水落 太郎(浦和) 空道ルール2分2R
・ともに北斗旗出場経験のある実力者対決。前回6月の対戦では水落が「効果」を奪い優勢勝ちを収めているが、今回はどうか?
1R、互いにけん制でローを飛ばし合うが、水戸部はそこから次の攻め手が出ない。反対に水落は得意の左フックで「効果」を奪取。
2Rに入りプレッシャーを強めた水戸部。良い膝も当てたが、またも水落の左パンチを被弾し「効果2」を奪われ、万事休す。水戸部、リベンジならず。水落、「効果3」で快勝。

《第22試合》服部 晶光(横浜北)vs 高橋 佑太(吉祥寺) 空道ルール3分2R
・今年の体力別の−240クラスでベスト4に残った服部と吉祥寺期待の19歳高橋の新星対決。
1R。序盤よりサウスポーの高橋が吉祥寺らしい左ミドル、テンカオを武器に攻勢を取る。服部もキッチリとディフェンスし反撃するが、印象点としてはやや高橋か? と、高橋のインローが服部の金的を直撃。高橋堪らずダウンで一時中断。再開後も似たような展開だが、服部のプレッシャーがやや強まり、盛り返しを見せて1R終了。
2Rに入り、開始早々にクリンチから寝技に持ち込んだ服部。高橋も懸命のディフェンスを見せるが、力及ばず。服部の見事な腕絡み一本勝ち。

《第23試合》糸永 直樹(草加)vs 渡邉 慎二(浦和) 空道ルール2分2R
・糸永の方から「ぜひ」と要望があり、渡邉の方も「ありがたく」と受け、実現した新旧シニアチャンピオン対決。
序盤、独特の構えでプレッシャーを掛ける渡邉。胴タックルに来た糸永の顔面に膝を合わせて、まず「効果」を先取。ならばと、今度は低い片足タックルを見せる糸永。見事に決まってテイクダウンを奪うも、渡邉もキッチリとディフェンスし、まず1R終了。
2R目。後ろ回し、いきなりのハイキックなどややトリッキーな攻めでかく乱を狙う糸永だが、渡邉は動じず。惜しい右パンチも入るがやや浅い。ラウンド中盤、クリンチとなった際、一気に勝負に出た糸永がビクトル投げ(=膝十字)の奇襲攻撃。即座に脚を引いてディフェンスし、逆に上から攻め込もうとした渡邉だが、糸永がすぐに腕十字のカウンター。仰向けに倒されながらも渡邉が腕を引き抜くと、今度は逆の腕を狙って糸永がオモプラッタに入る。すると即座に渡邉がその身体を飛び越えてディフェンス。目まぐるしく入れ替わる攻防を制したのは渡邉。先に立ち上がると、後から立ち上がる糸永にパンチラッシュの洗礼で自分の攻勢を決定づけるアピール。糸永もあきらめず、最後の逆転を狙って胴回し回転蹴り等を繰り出すも無上のタイムアップ。渡邉の優勢勝ちで幕。
尚、余談だが、1R序盤に左フックを打った際、当たり所が悪く拳を痛めた(のちに骨折と判明)糸永だったが、それをおくびにも出さずに2Rを闘い抜いた。手の骨は折れても心は折れなかった糸永のファイティングスピリッツに拍手!
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ここに書けなかった試合にも数多くの良い試合がありました。スタート当初、埼玉県の5道場だけから始まったこのワンマッチ交流戦。規模も選手のレベルも格段にアップして「もう完全に定期イベントとして定着したなぁ」とうれしく思います。特に若い選手はここをジャンピングボードとして、全日本or世界の舞台へと羽ばたいてほしいと願っております。 大会に参加協力していただいた支部長、指導員、選手の皆さん、お疲れさまでした。ありがとうございました。次回は来年2月半ばを予定しております。またよろしくお願いいたします。押忍。

(浦和/北本/大宮西支部長 渡邉慎二)

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更新日 2016.11.07

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