散打遠征レポート

笹沢一有(中部本部)

押忍、中部本部所属の笹沢です。
この度、海外遠征として、11月12日〜17日に北京で行われた「第9回世界武術選手権」に参加させて頂きましたので、簡単ではありますがその模様を報告させて頂きます。

北京集合(1日目)

本遠征の参加者は東先生、村上先輩、平安先輩と私の4人、東京散手倶楽部から木本先生、秦選手、田村コーチ、柏木さん、パスカルさんの5人で、計9人。北京空港に到着するなり、英語を話せる学生ボランティアに導かれホテルに案内されました。
学生に聞いたところ、ボランティアは総勢200人近いとのこと。中国の「武術」という競技への意気込みが感じられました。

計量(2日目)

午前7時開始の計量のため、会場へ。会場はオリンピックセンターで、ホテルからはシャトルバスで約20分の道のりです。オリンピックセンターは一部工事中であるほど目新しく、小奇麗な会場でした。計量もデジタル式の体重計で、選手3人は全員パスすることができました。

試合初日(3日目)

この日は私が午前に、次いで秦選手が午後に、平安先輩が夜にと、3選手とも試合がありました。(散打は原則1日一試合ですが、試合がない日もあります。試合の有無は前日の夜に公表されます。)私の緒戦の相手はトルコ代表。でしたが、相手が時間通りに試合場に現れなかったため、不戦勝となりました。北京の渋滞、もしくは散打の突然変わるスケジュールのためだと思われます。

次いで秦選手の試合ですが、相手は韓国代表。打撃では巧打を見せましたが、相手の地力が勝り、投げ等でポイントを失ったため残念な結果に終わりました。秦選手はまだ年齢も若い上に打撃のセンスが非常に高く今後の活躍が期待されます。

この日の最終試合が平安先輩で、試合開始は午後の9時に差し掛かっていました。相手国は北朝鮮。打撃の実力では数段上回っていましたが、相手は投げ技に長け、この試合を落としてしまいました。相手が失格ギリギリの遅さで現れる等細かい敗因もありますが、打撃のみでは勝てない散打ルールの難しさを学ばせていただきました。

第2試合(4日目)

私の第2回戦の相手はイタリアでした。ちなみに、この70kg級の参加者は全階級通して最多の47名。五輪出場の最低条件であるベスト8に入るためには3勝が必要なことになります。 この試合、なかなか勘が戻らないため打撃で苦戦しましたが、中盤以降パンチが入り、最終的には投げによるダメージ(おそらく脳震盪)により相手が続行不能となったため、TKOとなりました。

第3試合(5日目)

第3試合の相手はガボン代表。ガボンはアフリカの国で、選手はいかにもアフリカ系のリーチの長い選手でした。序盤やはり勘が悪くパンチをもらいましたが最終的にはパンチ・投げで優位に立ち、2R先取による判定勝ちとなり、ベスト8進出を決めることが出来ました。塾長から的確な作戦とご指示を頂きました。

第4試合(6日目)

勝てばベスト4という試合でしたが、前日にベスト8入賞を決めたため五輪の出場権獲得がほぼ間違いない、五輪に向けて手の内を明かしたくない、ダメージの蓄積のため満足に試合できない、等の理由から、韓国との第4試合は棄権しました。

大会を振り返って

冒頭でも述べたとおり、大会を通じたボランティアの大量動員、オリンピックセンターの使用、世界90カ国弱からの参加、テレビでの放映と、かなり規模の大きな大会でした。一方、英語を話せるボランティアが少ない、審判の判定基準が画一でない等々、国際大会ならではの課題が見え隠れしました。 選手のレベルについては中国をはじめ韓国・マカオ・フィリピンなど東アジア圏はやはり一定以上の実力を備えた選手が多く見受けられました。しかし最も目立ったのはロシアで、エース級の選手は驚くべき実力を披露しており、散打意外の格闘技でも十分以上に通用すると思われます。

抱負

皆さんのお陰を持ちまして、2008年北京オリンピック武術選手権に参加することが内定しました。 この大会は、オリンピックと冠していることからも分かる通りIOC公認の国際大会で、北京オリンピックの『特別種目』と位置づけられている「武術」を行うための大会です。(散打は「武術」競技を構成する2種目の1つ。)中国は「武術」を正式種目に組み入れようと働きかけたそうですが、オリンピックの競技数削減の方針により正式種目化が成らず、特別措置としてIOCが『特別種目』を設けたと聞いています。選手村への宿泊、開会式への参加等が認められており、選手の待遇面では正式種目と大差ないとのこと。

空道・大道塾に微力ながら貢献することが北京オリンピックを目指すモチベーションであり、それを実行できる時が来たと思っております。

不甲斐無い成績では貢献どころか大道塾の名を落としかねない事も承知しているつもりです。 負傷した左脚に数時間かけてマッサージを施してくれた散打の木本先生、遠征に同行した日本代表の仲間、試合で立ち会った相手の選手、応援してくださる大道塾の諸先輩と後輩達、空道と違う競技にも関わらず労を厭わず協力してくださった中部本部の先輩方、常に練習相手を務めてきてくれた同期の勝、入門当時から育ててくださった朝岡先輩、そして、厳しくも暖かくご指導くださる塾長、ならびに事務局長等など方々のご期待に沿えるよう・・・ベストを尽くします。

以上、長文かつ乱文失礼いたしました。
これからも暖かい目で見守ってくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。押忍

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