コロンビア選手権について
まず、この大会に差し当たり前日には、開催地となるコロンビア第2の都市『カリ市』の庁舎へ招かれ表敬訪問。そこで、3年前にも行われたという地元メディアを対象とした合同記者会見に同席させて頂きました。ご存知の通り、東塾長は、3年前からカリ市の名誉市民に認定されており、3年振りにお会いする市長と強い握手を交わした後、饒舌な英語でマスコミを前に20分ほどのスピーチを行いました。
そして、この内容に応えるかのように市長の方も「治安の悪化が続き、ドラックなどが蔓延し荒廃した社会の立て直しに青少年教育の重要性は不可欠であります。それには何か一つでも夢中になれるものを若者に持ってほしいと思っています。その中でも武道が持つ魅力は非常に高く評価しており、若者の有り余った力を発散させながらも、礼法を体得させていく武道文化、精神性は今のコロンビアには必要です。「空道はただ強くなる為の技を教えるのではなく、人間性を向上させる大きな目的だ、という点に私はすごく共感しております。」といった内容の賛辞をいただきました。
市長は盲目ではありますが、同席した我々にも一人一人握手をしながら労いの言葉を語りかけて頂くという丁寧な対応には敬服しました。側近には昨年の世界選手権に来日されたという方々も何名かおり、私のことを「覚えているよ。」と話かけて頂くと少し嬉しい気分にはなりましたが、人の名前を「五十嵐」ではなく「イナガシ」とか、「祐司」なのに「ヒロシ」といわれるのには正直、困惑といった感じでした(笑)。
さて、大会内容ですが、来場者数は400名ほど。会場のキャパは今年の全日本体力別を行った愛知県武道館くらいでしょうか。
失礼な話になりますが、当初、日本を出る前、大会規模については、地区大会ぐらいであろうと思っておりましたが、とんでもありません。会場にはライブ中継のカメラが数台取り囲み、接近戦を見やすくし、且つ各試合の良い場面をリプレイするために2台も大型スクリーンが設置されておりました。
場内アナもプロの綺麗なスペイン系女性がアナウンスしております。演出もオープニングから素晴らしく、今回、選ばれた11名の選手それぞれのプロモーションビデオを試合前に数十秒流しておりましたし、表彰式はクイーンの曲に合わせ空から銀の紙ふぶきで締めるという内容でした(笑)。栄えある第1回大会の印象を大衆に強く与えたいカイサド支部長の意気込みが表れていた感じがしました。
レベルはといいますと、コロンビア支部自体、従来の稽古体系が伝統空手スタイル(寸止め)で行っていたため、ほとんどの選手が直接打撃の試合を初経験といった感じに見受けられました。しかも組み技については穴がありすぎます。ただ、海外勢特有の基礎体力を含めた潜在能力の高さに加え環境がもたらすハングリー精神と情熱は、ひしひしと伝わってくるものがありましたので今後の飛躍的な成長に期待は十分できると思います。
現段階では全日本無差別のベスト16くらいの選手が行っても優勝できるのではないでしょうか?これを読んで興味をもった日本の若手選手は、是非、臆することなく自ら挙手し、こういった国際試合に挑戦して欲しいと思います。別な言い方をすれば、どんどんこういった国際試合の舞台が用意されていく空道の現況は私のようなベテランから言わせるとある意味、羨ましい限りです。
ただ、お互いに日々精進していることですし、海外勢の日進月歩の速さは前述した通りですからやるからにはそれなりの自覚と気概をもって臨んでください。この大会模様は、国内ライブ中継のみならず、翌日のスポーツニュースにもゴールデンタイムに2回ほど放送されておりました。
我々が4年に1回のワールドチャンピオンシップ(世界選手権)という花火を打ち上げる度に、年々海外からのオファーが増えるのと同様に、この大会も確実に波及効果が出てくることでしょう。 実際、今回はコロンビア国内のみでしたが、周辺の隣国(エクアドルやペルー)からも興味をもった武道団体関係者が来場しておりましたし、問い合わせが殺到していることなどを現地で聞いていると、よりリアルな実感が湧いてきます。
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