コロンビア遠征レポート

稲垣拓一(総本部)

平成16年11月9日〜11月16日までコロンビア遠征に同行させて頂いた。久しぶりの海外であった。
現地では少年部を含め合計5回のセミナーと、軽いデモンストレーションを1回お手伝いをさせて頂いた。皆興味津々。充実したセミナーだった。
成田から乗り継ぎ時間を含め約24時間で現地到着。カエサド支部長以下幹部道場生、ご関係者、通訳の方の出迎えを受ける。

翌日は新聞社とカリ市の職員から塾長が取材を受ける。

その翌日、塾長カリ市長より名誉市民証を授与。取材殺到。前市長も駆けつけ、日本で言えばどんなところか?超VIPな公の施設での昼食会。塾長接待を受ける。

もちろん塾長、大道塾の今までの功績があってのことだが、カエサド支部長の段取りのよさ、カリ市長始め、日系人協会、お弟子さんには弁護士や医者、警察まで、ネットワークの広げ方、キーマンへの繋ぎ方には感心した。
そして利益だけを追求するのではなく、常日頃から孤児院や恵まれない子供達にも様々な形で応援、援助をしているそうだ。

カエサド支部長は寸止めのお師匠様に、アメリカに支部を出せと勧められたらしいが、「本国コロンビアにこんなに恵まれない貧しい子供達がたくさん居るのに、彼らを置いて国をでられるか!」といって丁重にお断りしたらしい。こんな話を聞くと、自分はわくわくと嬉しくなって応援したくなって、そんな人間が好きになってしまう。まさしく日本では忘れ去られた任侠道がそこある。

悪を、強きをくじき弱きを助ける。損を承知で馬鹿をやれる。そんな熱い男が地球の裏側で頑張っているかと思うと、脇の下や股間がじっとりと汗ばんでくるくらい嬉しい。任侠はヤクザの特権のようにもてはやされてるが、とんでもない。心意気一つで八百屋のおとっつあんだって、大工の玄さんだって、すし屋の梅さんだって、任侠だ。そこが言いたい。結局いっつもそこにいっちゃうから、俺の話は嫌がられることもあるけれど、やっぱりそこが一番大事だろ。武道、武士道、任侠道。道がつく教えにはそんな粋な部分があってほしい。そんなカエサド支部長の顔は、決してイケ面ではないがなかなか味のある顔をしていた。

それにしても、日本は物は豊かになったが、心は滅びた。海外で是だけ武道や武士道が受け入れられているのに、なんともわが国は寂しい限りだ。

コロンビアの国旗は黄、青、赤の三色。それぞれに意味が込められている。黄色は希望を、青色は海の青さを、そして赤色は革命で流された血を意味している。国歌も国民が誇りをもって歌う。物や治安の豊かさは日本が勝っているかもしれない。でもにじみ出るエネルギーや情熱はそれと引き換えに失われつつある・・・なんとかしねえとな。
話が若干それたかも知れないが、あえてそれた部分は削除しない。

そんな様子で本当に真面目に、一生懸命セミナーを消化した。東塾長も度重なる海外遠征のせいか少々おつかれの様子であったが、セミナー中はいつものとおり汗をたくさん流して熱心に気合を入れて教えていた。

コロンビア最後の日の夕刻、通訳の牛田さんに連れられて中川選手と3人で散歩をかねて土産物を買いに行った。名も知らない丘の上。ジプシーたちが自然と集まって、民芸品や食い物屋、バーなんかがランダムに建ち並ぶようになったと聞いた。夕暮れ時にその丘から見下ろした街の風景が、日本に帰りたいと思う郷愁ではなく、なんともいえない、かつて日本もあったであろうという時代へのノスタルジーを感じさせた。時にロマンチストの俺の思いは、はたして思い過ごしか、勝手な思い込みも多々あるが、すべては旅の途中での出来事。大事にしまっておこう。

最後に、やはり自分は体感してすべてを勉強し、修得する人間だ。つくづくそう思う。理屈やへ理屈でこられてもちっともピンと来ない。なんかむかついてしまう。だからこんな貴重な経験と時間を与えてくれた東塾長、ご関係者の皆様。そして、ウェルカムしてくれたコロンビアの方々に、深く感謝を申し上げたい。ありがとうございました。
それと塾長は「帰ったら作文すぐ出せよ作文」とやたら作文と強調されていたのでレポートではなく作文調にて提出させていただきました。

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