北京遠征レポート

高橋腕(新潟支部)

はじめに、昨年の体力別で準優勝させていただき、その際、塾長から、海外遠征に連れて行っていただけると聞いていたので、期待していましたが、自分の学校との兼ね合いで実現できず、今日まで来ましたが、今回このような貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。ここで北京での行動を振り返り今後に生かしていこうと思います。

1日目
寮生の稲田君に、塾長と一緒にバスターミナルまで送ってもらい、そこからバスで1時間ほどかけ成田空港まで行った。新宿支部の佐野さんと待ち合わせ、手続きを済ませ飛行機に乗り中国(北京)に出発した。

移動時は、佐野さんと話しながら、言葉の事、食事の事、どんな選手が居るのだろうとワクワクしながら「やるぞーっ」という気持ちでいっぱいだった。3時間30分位で、中国に着陸すると、手続きをしたが、警備員や社員などは、ムスッとしていて愛想も悪かった。塾長からは、共産圏の国だからこんなもんだという事だった。少し歩いて行くと北京の学生5〜6名が「熱烈歓迎」と書いてある垂れ幕を用意してくれてとても興奮した。少しボロいバスに乗りホテルに向かった。景色は、1個1個の建物がとても大きく道路も幅が広く、スケールが日本と違い大きかった。しかしスモッグがかかっており、いつも霧がかかっているような感じだった。

車内では、学生がいろいろ話し掛けてくるのだが、英語も中国語もまったく話せない自分にとっては、愛想笑いを浮かべるしかなかった。その中で、塾長が英語をペラペラ話しているのには、とても驚いたしカッコ良さを感じた。ホテルに着き部屋に案内された後、トイレを見て日本と変わりない事に安心した。その後、ホテル内の中華料理屋で、学生達と食事をした。中国のビールは、少しぬるいが、飲み易く食べ物もとてもおいしかった。中国人のマナーはとても良く、また、純粋さや一生懸命さを感じた。

2日目
朝食(中華料理)をすませ、宋という学生が迎えに来て、タクシーで北京大学へ行った。北京大学は、とても大きく、新潟の大学とは比べ物にならないほど敷地や建物が、大きかった。敷地内にある道場まで少し歩いたのだが、店や銀行などもあり、小さな町という感じでした。

午前中(10:00〜)は、基本稽古を一から塾長が指導した。徐さんという日本語を話せる人が、通訳をし午前中のセミナーを行った。元々、見様見真似で空手をやっていたせいか、全くの素人ではなく、気合いも全員が大きな声を出し真面目にセミナーを受けていた。
午前の部が終了後、学生の宋さんが、北京大学の学生食堂に連れて行ってくれた。学生食堂は広く、沢山の学生が居て昼間からビールを2、3本も飲んでいる学生も居た。自分もビールと食事をもらい、徐さんも居た為、会話も楽しみながら食事ができた。
その後、少し休憩してから午後の部分を始めるのだが、休憩中も、学生は空道の事、日本の事に大変興味があるようで、いろいろ質問してきた。

午後の部は、佐野さんと自分が、基本稽古を行い、その後、塾長が移動稽古を指導した。指導稽古では、塾長の分かり易い説明の為、初めてにしては、なかなか動きが良かった。その後、関節技を行う予定だったが、学生が疲れていた為、ここで中止となった。

セミナー後、一人の学生がまだ物足りないから何か教えてくれとの事だった為、寝技を教えようと膝立ちで向かい合ったら、いきなり真っ赤な顔をし立ち上がり攻めてきた。いきなりだった為、ガードポジションを取る形となってしまった。その後、膝立ちになった所で終わった。自分は、やっと燃えてきた所だった。この学生とは、次の日のスパーリングでも対戦し、上段と膝蹴りでダウンを取り2回位投げ、決着を付けました。改めて気を抜く事の恐さ、細心の注意を払う事、また教える事の難しさを学んだ。しかし、会話が上手く話せなくても、空道は、世界共通語だと実感した。

夜は、少し歩いた所にある中華料理屋で食事をした。ビールが来るまでの塾長の「I am dying」という言葉が、なぜかとても気にいりました。練習した事もあり沢山ビールが飲めた。食事の後もしばらく佐野さんと北京を探索しながら空道の事などいろいろ話した。

3日目
セミナー最終日。投げ技と関節技を塾長が指導した。学生は、なかなかセンスが良く、女子同士でも受け身ができないのに、おもいっきり首投げなどをしていた。関節技では、初めて習ったらしく、極めると驚いたような表情をしていた。一生懸命、セミナーを受け、吸収して行こうという意気込みを感じた。
スパーリングでは、形ができている学生も居たが、殆どの学生が、蹴りの受けを知らず、組み技に対しては、対処できないような感じだったが、気持ちは強く今後専門的な練習をしたら強くなると思った。最後にマスクを付け佐野さんとスパーリングを行った。セミナー後も学生が、技の説明を聞いて来たり、記念写真も沢山撮った。会話は上手くできないが、みんなに純粋さを感じた。
その後、宋さんと徐さんに天安門広場に連れて行ってもらった。人の数も多く、景色もすごく、スケールの大きさにはとても驚いた。この頃になると英語やジェスチャーの使い方にも慣れ、佐野さんとの会話の中でもお互い「サンキュー」などと自然に英語を使っていた。その後も宋さんは、とても良くしてくれ、歩くのには疲れたが地下鉄に乗ったり繁華街などに連れて行ってもらった。

4日目
この日は、学生の張さんに万里の長城に連れて行ってもらった。この張さんには、とても気を使ってもらいとてもいい気分で観光ができた。英語で会話するのだが、佐野さんも自分も話せないが、張さんは、沢山話しかけ伝えようとしてくれた。佐野さんは、営業スマイルとうなづきで、英語が話せると思われているようだった。万里の長城では、これまたスケールの大きさに驚いた。まさに百問を一見にしかずという感じだった。買い物では、張さんが交渉してくれたり、自分達でも、280元の物を70元にしたりと買い物も楽しかった。張さんとてもシェイシェイ。
夜は、リーさんに誕生日という事で、食事後、カラオケに行った。自分も恥ずかしながら歌ったのだが、塾長のとても上手な歌を聴く事ができ、とても光栄だった。

5日目
宋さんの見送りがあり日本に帰る。自分にとっては、初めての海外旅行だったが、とても良い経験、沢山の思い出ができました。
日本が見えてくると塾長が「腕、日本は綺麗だなー、何回帰ってきても安心する」と言われた。自分も同感で安心した気持ちだった。塾長には大変気を使っていただきました。本当にありがとうございました。荷物を持ち帰ろうとすると通関で引っかかった。結局、買ってきた剣を国内には持ち込めないという事で佐野さんと自分は鞘だけ持ち帰った。塾長とは空港で別れ佐野さんに上野駅まで送ってもらい車中は、寿司やそばなど日本食が食べたいなどと話し別れました。

本当に今回、このような機会をくださった東塾長、山田先生とてもありがとうございました。この経験を糧に日々、精進していこうと思います。また、旅先でお世話になった佐野さん学生さんありがとうございました。押忍

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